| 6月30日(日本農業新聞) |
特定農業団体を検討
農水省は、米の担い手経営安定対策の対象にする集落営農の要件に、特定農業団体であることを加える方向で検討している。集落営農の規模拡大に結びつけるのが狙いだが、担い手経営安定対策の加入要件が厳しくなる可能性もあり、論議を呼びそうだ。
同省は特定農業団体の設立要件として、五年以内に法人化する計画を持つことなども検討している。しかし、農業団体には「農家の三分の二以上の同意など、特定農業団体の設立に必要な手続きをこなすのが難しいのではないか」といった指摘もある。
担い手経営安定対策は、米価が下藩した際に補てんする制度で、米政策改革の一つとして来隼度導入する。
同省は集藩営農の加入要件として、税制上法人と同じに扱われ青色申告を行っていることや、水田の経営規模が二十ヘクタール以上であることなども検討。特定農業団体の設立
要件と一緒に七月下旬にも決める考えだ。
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| 6月30日(日本農業新聞) |
副産物を部門間利用
餌やバイオガス、養分に
ベトナムのメコンデルタは、全域に網の目のように水路が発達しており、水路が雨期に発生した洪水を排除するのと、乾期のかんがい用水源の役割を果たしている。ここで注目されるのが、稲作を墓幹として養豚・養魚・果樹・野菜などを組み合わせた複合農業だその特徴は、部門間の資源循環型の農業システムであり、環境保全にも寄与していることである。
国際農林水産業センターは、ホーチミン市の南方にあるカントー大学などとの共同研究で、この農業システムが展開しているかんがい・沖積土壌地域の村を対象として、総合研究プロジェクトを推進している。その目的は、農業システム各部門の個別技術を開発・改良するとともに、それら技術の現地実証を行い、環境・、経済面からの最適なモデルを構築することである。この研究との関連でタイに派遣され、先ごろ現地研究者の調査に参加する機会を得た。
現地の農業システムにはさまざまな形態がある。印象に残った事例をいえば、稲作・養魚・養豚・果樹作の複合経営における部門間の副産物の循環利用とバイオガスの利用である。稲作の副産物の米ぬかやくず米は豚の飼料となる。豚舎の横に養魚池があり、豚のふ
ん尿がこの池に流される。
また、豚のふん尿は発酵させ、発生するメタンガスを調理用燃料として利用しており、そのためのバイオガス・ダイジェスター(メタンガス発生装置=プラスチック製)を導入している。ふん尿の発酵は大腸菌などの有害微生物を減少させることにもなる。発酵液は果樹園に投入されるとともに養焦池にも排出される。養魚池では、豚のふん尿やその発酵液により藻類やプランクトンの繁殖が促進され、養魚の餌となる。養魚池の窒素やリンを多く含んだ水は、水路に流され水稲の養分となる。養魚池や水路の泥は、定期的にさらわれ、果樹園にまかれて栄養分に富んだ肥料となる。
農業システムは、このような副産物の循環利用のメリットがある半面、メコンデルタの農業として稲作・養魚・養豚・果樹作それぞれに、多くの技術的課題を抱えていることも事実である。
資源循環との関連でも、水路の水と泥の養分や養魚池の泥の養分を考慮した水稲・果樹園の施肥量、養魚、の餌資源としての豚のふん尿の栄養を評価した餌の供給量、豚の飼育頭数と養魚池の大きさ、魚種構成の適正化、バイオガス・ダイジェスターの経済性など課
題がある。
これらの課題解決に向けて総台研究プロジエクトが推進され、技術の開発・改良が進められている。その成果は、メコンデルタの農業発展に責献することはもちろん、わが国循環型農業の推進にも参考となる。
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| 6月30日(日本農業新聞) |
ハローワークと事業提携 広がる選択肢
特区認定で役割充実
埼玉県は5月、構造改革特区として政府から「食と農の担い手づくり特区」の認定をけた。県農業大学校が農業分野の求人を卒業生にあっせんできる規制緩和が柱だ。6月13日には全国のトップを切り、公共職業安定所(ハローワーク)との事業提携もスタートした.また、食の安全に関するカリキュラムも充実、人材育成と県内の農業振興にカを注ぐ。農家以外の人、中高年の入学希望が増えるなか、社会情勢に合わせて農業大学校の役割も変わりつつある。
埼玉県農業大学校(鶴ヶ島市)の掲示板に、今月初めて「就職情報」が張り出された。さっそく県内五JAを含む十二社、団体から求人が舞い込み、情報収集に足を止める学生が目立つ。園芸科・切花専攻一隼の町田亜沙美さん(一八)は「将来の就職先が臭体的に見え便利。大いに活用したい」と期待する。
同校は一九四五年創立。全寮制の二年課程で水田や園芸、畜産の各科に分かれ、専門知識を教える。
これまでは、農家出身者向けに経営の即戦カとなりうる技術習得が主体だった。一方、農家出身でない入学者は、ここ数年全国平均を上回ってきた。特に昨年は六十七人の入学者のうち三十五人が農家出身ではなかった。農家出身者と比率が逆転した。山本一男校長は「担い手が多様化するなか、指導する大学側の対応も必要だった」と話す。
各都道府県の農業大学校は、農業自営者の養成を目的に農水省が認可している。厚生労働省が定める職業安定法には職業紹介の適用に農業大学校の記述がなく、他大学のような求人あっせんができなかった。「就職先が決まっている農家出身者に対し、情報が少ない非農家の卒業生は、就農はおろか農業分野での活躍も制限されてきた」(県農業支援課)。
特区認定を受けたことで,大学側が求人の取りまとめと人材あっせんを行うことが可能になった。これにより、県内の大規模農家やJA出資の農業生産法人、食品関連企業など、農家出身ではない学生が進む選択肢も広がった。
また、同様の認定を長野県や新潟県も受けており、支援の輸が広がり始めた。農水省女性.就農課は「卒業生の就職対策は、全国の農業大学校が抱える共通の悩み。特区認定で顕著な効果が出れば、他県が追随するケースも出るのではないかとみる。
特区申請を前に果は今年三月農業大学校条例を全面改正。県が進める食の安全や地産地消運動と連動させ、来年度からカリキュラム充実と指導体制の見直しを決めた。
具体的には、農産加工のほか、トレーサビリティー(生産・流通履歴を追跡する仕組み)や危書分析重要管理点(HACCP)方式での栽培を教科に組み入れる。JAやスーパー、市場などへ学生を積極的に派遣し、生産から消費までの一貫教育を目指す考えだ。
「今後の農業に不可欠な知識であり、現場のノウハウを蓄積した人材育成にカを入れたい」と山本校長は強調する。さらに、増えてきた中高年の需要にも対応し、一年制の課程も立ち上げる。
ただ、農地の貸借や取得など、生産基盤を伴った就農への課題は残っている。埼玉県では現在、県内四カ所で希望者への就農準備講座「ルーキー農業塾」を開いているが、全県的な広がりに欠けている。今後、多様な担い手に対し、経営自立を促す受け皿的機能の拡充が求められている。
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| 6月29日(日本農業新聞) |
こだわり栽培、販売を工夫
群馬県のJA利根沼田枝豆部会は、今シーズンから出荷パックに生産者名を明記し、ゆで上がったエダマメをまぶす塩も添えて出荷している。
パックに生産者名も
同部会のエダマメはこだわり栽培で市場評価は以前から高かったが、消費者を意識した新しい取り組みで評価はさらにアツプ。今月下旬の初山荷では、一パック(三百グラム入り)七百円で取引された。
生産者名は品質への責任を明確にと、シールをてん付した。塩は四グラム入り小袋を入れた。風味を重視し、伊豆大島産の自然海塩を使った。主な出荷先は京浜市場。十月初旬まで、五十五万パック出荷する。
同部会は土づくりにカキ殻やカルシウムなど微量要素を使い、「ミネラル枝豆」の名称で販売した。出荷袋も比較的長く鮮度保痔できるタイプを使っている。昨年シーズンの販売価格は、平均で一パックニ百八十円だった。生方清一部会長(五八)は「コストは高くなるが、消費者がおいしく食べられるように出荷や栽培方法を遣求していきたい。安全性の確保も徹底していく」と話す。
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| 6月29日(日本農業新聞) |
環境配慮の有機材質
もみ殻利用にも期待
神奈川果農業総合研究所(平塚市)は、ハウストマトの養液栽培に使う有機質培地の利用研究をまとめた。使用後の処理に問題があるロックウールに替えて、コストや手間、安全性の面で、実用可能な有機質培地の開発を目指すもの。現在、同研究所で試験を行っている閉鎖循環型の養液供給方式と併せて、培地でも環境に配慮した施設園芸を実現するのが狙い。
栽培試験では、県内の養液栽培で最も多いトマトを対象に、品種は「ハウス桃太郎」を使った。実験期間は一九九八年から二〇〇一年末まで。薫炭とチップ型のヤシ殻、立方体に成型したヤシ殻の三種類の培地を、ロックウールと比較した。半促成と抑制で年間二作し、どれも養液を循環させる方式で栽培、収量を比較した。
一株当たりの培地は四・七リットルで、コスト面は、薫炭は購入してもロックウールと同等。自家で製作すればさらにコストは下げられる。輸入が中心のヤシ殻は、二〜五割増しとなった。
収穫量は、薫炭はロックウールと同等に得られた。また、チップ型のヤシ殻は一作目の収量がロックウールの82%であるなど、不安定ではあるが実用化できる範囲。
同研究所生産技術部の深山陽子主任研究員は「原因は調査中だが、循環した養液の中に根傷みの原因になる成分が残ってしまうのではないか」と話す。
しかし一方で、「有機物を使うと、培地に微生物が多く存在するため、病気が発生しにくくなる可能性がある」という。
かけ流し方式での栽培はどれも問題ないが、循環方式では収量が不安定になる。現在はさらに、もみ殻を板状に成型した
培地を試しているが、同様に初期の収量が不安定
になる傾向がある。
深山主任研究員は「県内で余っているもみ殻が利用できるようになれば、限りなくコストはゼ口に近くなる。環境にも十分な配慮ができるので、ぜひ実現したい」と、話している。
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| 6月28日(日本農業新聞) |
立地生かし品薄期に出荷
群馬県のJA利根沼田こまつな部会は、冷涼な気候を生かし春から秋に小松菜を露地
栽培する。ほかの産地が品薄になる時期に出荷し、有利販売につなげている。契約出荷
は六割近くに及ぶ。減農薬栽培やたい肥を投入する土づくりで高品質生産し、消費者や取引先の信頼を得ている。
小松菜は東京都内や周辺の都市部で伝統的に栽培されてきた。近年、カルシウムやビタミン類など栄養素を豊富に含むことなどから注目され、栽培が広がっている。
同JA筥内では八年ほど前から、夏の需要を狙い小松菜を栽培する生産者が現れた。ロットを確保し契約出荷を安定させるため一九九八年、同部会が発足した。小規模でも個性的な生産方法や高い栽培技術がある同県の「ミニブランド産地」に二〇〇二年度、指定された。
現在、部会員は昭和村と沼田市の十五人。出荷量は二百七十トン。JAの取り扱いは部会員以外の出荷を含め今年度、約九エハ百万円の販売額を計画。出荷期間は四月中旬から十月いっぱい。レタスと組み合わせて栽培する生産者が多い。
主な出荷先は京浜市場。契約出荷は市場を通じたもので、首都圏のスーパーや生協、加工業者に納める。週ごとや一〜ニカ月単位で価格、数量を決める。価格は一パック(三百グラム)七十〜百二十円で取引している。
出荷時期の気候に合わせて品種を選択する。六月申旬までは軟らかくボリューム感の一ある「さやか」など、梅雨から夏場は病気になりにくい「ひとみ」。同部会長の大竹武宣さん(六二)は「栽培方法と同様に品種選びも重要だ。部会内の会合できっちりと確認している」と自信を見せる。
土づくりには有機質肥料を投入し、農薬は防虫ネットを使うことで、ほとんど使わない。部会員の主力は四十代で・後継者も育ちつつある。同JAは「産地の知名度アップのために、部会員をさらに増やしたい」と期待を込める。
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| 6月26日(日本農業新聞) |
低農薬、省力化へ
エコ取得でブランド強化
夏秋トマトの産地、JA利根沼田管内では、今年もブランド品の「夏美人」の出荷シーズンを迎える。同JAトマト部会(約二百人)では、全員がエコファーマーを取得し、「より安全で味の良いトマトづくり」に取り組んでおり、今後の販売成果が期待されている。
同部会では、これまで協定を結び、品種の統一(桃太郎8)や安全性、生産技術の向上に努めてきた。栽培面では低農薬や省力化に結びつくマルハナバチの利用や防虫ネットの導入、完熟たい肥の施用などに力を入れてきた。昨年は部会員全員
がエコファーマーを取得、さらに今年は栽培履歴に墓づき部会指定で使用農楽を統一、薬剤による防除回数も憤行の二割減に収り組んでいる。
今年産の栽培面積は四十七ヘクタール、生育は良好で、七月二日に初出荷を予定している。JAトマトセンター(白沢村)に一元集荷され、計量、品質、着色別に選別した「夏美人」は、今年は「エコファーマーマーク」を付けて東京巾場を中心に近県市場に出荷される。今年産の出荷数量は百万ケース、(一ケース四キロ)を計画、出荷作業は十月末まで続く。
部会長の井上信彦さん(四六)は「安全な物を生産するのは生産者の義務。今後とも消費者の二ーズに応えて良質で昧の良いトマトづくりを進めていきたい」と話している。
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| 6月26日(日本農業新聞) |
性フェロモン剤で害虫防除
広島県のJA福山市管内の箕島園芸組合は、フェロモントラップを使った野菜の害虫防除に効果をあげている。都市化が進む中で、周囲の住民に配慮したもので、防除の労力や農薬代の削減にも結びついた。
同組合のメンバーは現在、二十五人。ホウレンソウを年間約百八十トン出荷するほか、シロウリ、金時ニンジン、芋づる(サツマイモの苗)を出荷。年間販売高は一億六千万円を誇る。
野菜団地は福山市の市街地に接する。団地のある箕島町は、日本鋼管福山製鉄所誘致に伴う埋め立て(一九六一年)や、芦田川の河口ぜき建設で、半農半漁から農業中心に経営が変わった。
フェロモン剤は、ハスモンヨトウの雌成虫が放出する性フェロモンを製剤化した。フェロモン剤をトラップ(わな)に入れ、雄成虫を誘殺して交尾の機会を減らす。同組台は九九年に導入した。
今年は六月上旬に設置。対象とした六十秒に七十九基を設けた。同じ野菜団地に作付けしている近隣の町の出荷組合も参加した。
設置後は、メンバーが誘殺数を通に一回の割台で見て回り、同JA箕島支店選果場に掲示したグラフに数を書き込む。グラフの数値が頂点に達した薗後に、全農家が一斉防除し、ふ化したばかりの幼虫を駆除する。トラップを誘殺に利用するだけでなく、効果的な防除にも活用している。農家では、「今まで勘で防除をしていたが、トラップを使うと適期が分かる。労カも農薬代も減った」と語る。
同組合ではさらに、昨年からホウレンソウの栽培管理の記帳に着手した。肥料、農薬を使用した日、商品名、希釈倍率、量などを細かく記録。市、JA、消翼者、流通関係者らでつくる「ふくやまブランド農産物推進協議会」へ、記録簿が完成するたびに提出する。
同協議会では、履歴が明確な市内産農産物については、統一ブランド「ふくやまSUN」の認定制度も設けた。村上展一組合長(七四)はコ局齢の生産者が誇りと生きがいを感じ、市民に愛される産地を目指したい」と話す。
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| 6月17日(日本農業新聞) |
縦割り行政 食の安全 責任なすり合い
国民の健康ないがしろ 消費者の立場で法整備を
「有機JAS」をうたう輸入健康食品から残留農薬が見つかった問題が、たなざらしになっている。農薬が検出された理由を問う消費者団体の声に、関係省庁がこたえていないからだ。食品の安全改革を掲げながらなぜ、重い腰を上げようとしないのか。
<農薬検出>
「役所の対応にはあきれかえる。健康食品の安全監視がなおざりだ」。今月初め、農水・厚労省に公開質問状を提出した日本消費者連盟の水原博子事務局長は、怒りをあらわにする。カナダの健康食品「エキナセア」を同連盟が分析したところ、DDT、ディルドリンの残留があったからだ。
ところが国民の健康を守る立場の厚労省は「健康食品には残留基準がないので、すぐには取り締まれない。有機JASはそもそも、農水省の所管だ」(監視安全課)と静観する。検出された農薬が「ADIに照らすと、健康被害を及ぼす値ではない」として、輸入停止もできないという。
<法のすき間>
問題の健康食品を扱う業者の一部には、ホームページ上で「有機JAS認定」を受けていたかのような宣伝もあった。
こうした広告に対し農水省品質課は「JAS法で取り締まることができる表示違反は、商品そのものに付されたものだけだ。インターネットの宣伝では取り締まれない」との見解を示す。JAS法改正で表示違反を厳しく取り締まる態勢ができたはずの農水省だが、法の落とし穴が足かせとなって手が出せないとでも言いたいようだ。
それなら景品表示法を管轄する公正取引委員会はどうかというと、こちらもいま一つ及び腰。「情報を把握していないので個別なことは言えないが、農水省の方で動けるのではないか」とトーンダウンしてしまう。
<旧態依然>
「役所の体質は旧態依然。期待はずれだ」と、主婦連合会の和田正江参与も関係省庁の対応をばっさり。七月には食品安全委員会が発足するが、消費者不在の行政体制は変わらないと主張する。全国消費者団体連絡会の神田敏子事務局長も「消費者の視点に立って改革を進めないと信頼関係が築けない」とこの考えを支持する。
食品表示を担当する農水、厚労、公取委。互いに責任の押し付け合いで、現実には違反業者の取り締まりができない。消費生活コンサルタントの小杉敬子さんは「縦割り行政の解決には、根本的な部分で歩み寄りが求められる。役所の壁を超えた食品表示法のような法律が必要だ」と提案する。
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| 6月16日(日本農業新聞) |
生産履歴データベース楽に管理
JA全中と全農は、農産物の生産履歴をデータベース化するシステムを共同開発し、七月から発売する。農家が日誌に記帳した防除・施肥履歴などの情報を、JAが大量に蓄積し、データの分析や検索、加工に活用できる。専用の用紙と自動読みとり機を利用すると、煩雑だった情報入カの手間が省ける。
JAグループは、消費者に安全で安心できる農産物を提供する取り組みとして、昨年から「生産履歴記帳運動」を展開している。
全中・全農は三月、生産履歴記帳支援システムの開発に着手。開発したのは「JA栽培履歴データベース」で、入力項目は作業・施肥・防除の各履歴と土壌分析などの分析結果。一台で一生産グループ当たり三千ほ場、百八十グループまでのデー.タ量を蓄積できる。
農家ごとに農薬名、使用回数・量、希釈倍数のデータをチェックする。生産グループごとに日誌の回収率もチェックでき、記帳の促進や営農指導に役立てられる。同システムに対応した自動読みとり装置も開発した。
全中・全農はこのほか、「集出荷履歴データベース」を八月中に開発する計画。インターネット上で生産者・JA・消費者が情報交換できる「骨報交流システム」も作り、年度内の試験運用を目指している。全中は「省カ化ンステムの開発で、記帳運動を後押しできる」(食の安心・安全対策室)と話す。
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| 6月12日(日本農業新聞) |
熱水で土壌消毒
超小型・高性能装置を導入
北海道のJA由仁町は道府で初めて、超小型・高性能熱水土壌消毒装置を導入し、花き生産農家三十戸が、収穫の終わった花きハウスで、熱水土壌消毒を本格的に始めた。装置は軽トラックに載せて細い道、狭いスペースでそのまま作業ができる。熱水で土壌中の病害虫や雑草を退治し、畑に蓄積されたリン酸や塩分を除去する。
装置は、道の「水田地域振興作物定着事業」で導入した。灯油を使う高性能小型ボイラーとチューブのシンプルな装置で、在宅介護用移動入浴車両のボイラー「小型パルスジェットエンジン」を応用した。総重量三百五十キロ以下で、約三百平方炉のハウスを約九時間で消毒する。
同町岩内の田申秀幸さん(四二)はこのほど、関係者の指導を受けながら熱水土壌消毒を始めた。床土面に太さ三十ミリの散水チューブを三十センチ間隔に配置。シートでカバーした後に九〇度の熱水を毎分七十リットル、一平方メートル当たり二百リットル、地温を五〇〜六〇度で四〜五時間保つようにした。
同JAの花き生産者は昨年、土壌別に四カ所で熱水土壌消毒を試験。その結果、「蓄積されたリン酸や塩分を除去し、立ち枯れ病の発生が見られず、連作障害が出ない」(同支部の田中秀幸支部長)ことが分かった。同JA営農部の斉藤潜部長は「機動性に優れ、どこでも活用できる。花き以外の野莱栽培農家などにも広めたい」と話す。
この装置は、愛知県豊田市の明伸興産が、二00五年度に廃止される臭化メチルに替わる土壌消毒方法として開発した。
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| 6月4日(日本農業新聞) |
エコファーマー目指す
防虫ネットなど活用
長崎県のJA島原雲仙深江地区アスパラガス部会は、今年産からスリップス類防除のため、防虫ネツト、青色粘着テープ、紫外線カットフィルムを組み合わせ、農薬を極力使わない栽培方法を始めた。エコファーマーの認証も申請中で、「新鮮で栄養価の高いアスパラガスを、安全で安心できる栽培方法で届けたい」としている。
同地区のアスパラは雲仙・普賢岳の噴火災害が治まった後に、降灰対策事業として始まった新興産地。現在、二・三ヘクタールで四十二人が取り組み、春、夏合わせて二百六十トン出荷している。
ヨトウムシ、タバコガ対策の防虫ネットは、網目を従来より大きくして四ミリとし、風通しをよくしている。
青色粘着テープは、ハウス内の両サイド、支柱に高さ五十センチで固定。色で害虫を誘引し粘着剤で捕殺するほか発生予察に使用。付着度合いを見て一定の量を超えた段階で防除するため、農薬の散布回数を減らすことができる。
紫外線カットフィルムはスリップスの忌避効果を狙う。また一部で、スリップスをにおいで誘い出し、混用の薬剤で防除する資材も使用。
同JA東部基幹営農センターでは「新たな資材導入で費用はかかるが、防除費用の節減効果は高い。減農薬栽培として商品価値を高められる。土づくりはたい肥の投入で化学肥料の使用を控える」と話す。
このほか、防除暦の配布、農作業日誌の記帳を始め、農薬の適正使用を徹底。トレーサビリティー(生産・流通履歴を追跡する仕組み)にも取り組んでいる。
高原修さん(五三)は今年で五年目。四十三アールのハウスは春芽が終わったところ。「アスパラは健康食品。極力農薬を使わず、安全に作りたい」と話している。
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| 6月2日(日本農業新聞) |
6月は農薬危害防止月間
農薬は正しく使用、安全徹底を
年間で最も農薬使用の多い六月は「農薬危害防止月間」です。農水省をはじめ各都道府累やJAグループでも、農薬の安全便用を徹底するための運動を展開し、安全な農作物への取り組を展開しています。昨年十二月に農薬取締法が改正され、三月に施行されました。これまで規制がなかった農家の農薬使用の分野に、法律で使用基準が定められたのが特徴です。違反した場合には最高で三年以内の懲役が科せられるなど、法律の内容が大きく変わりました。農薬は適正に使用されている限り農家にとっても、消費者にとっても安全で役立つ生産資材です。農薬による事故を防ぎ、安全な農作物を作るために、農薬の安全使用について、再度確認しておきましょう。
人や環境影響に配慮
ルール守り事故防止
<農薬取締法の改正>
改正農薬取締法の最大のポイントは、農薬を使うすべての人が法律で定められたルールに従うことが義務づけられたことです。法律に違反した場合、農家を含めて最高で三年間の懲役、または百万円(法人は一億円)の罰金が科せられるようになります。無登録農薬の使用が一部で問題になりましたが、こうした無登録農薬は法律で禁止され(一切使ってはいけません。また、環境や人間への影響をできるだけ抑え、同時に作物への残留を防ぐため、農薬の使用基準が導入されました。
注意事項を読む習慣
<散布前>
◆ラベルをよく読む
農薬の使用は、ラベルに書いてある情報を守ることが大前提です。農薬のラベルには適用範囲、便用時期、使用方法、有効期限などの注意事項が書いてあります。使用前にはラベルを読む習憤を身につけましょう。
正しい希釈倍率、混用の正否、使用回数などに気をつけます。マイナー作物には農薬登録がされていない場台が多いのですが、当面の経過措置として都遭府県知事の申請を通じて農水大臣が承認した場合だけ、利用が認められています。これらに違反した場合は罰則となりますので、注意が必要です。不明な点は病害虫防除所や農業改良普及センター、JA、農薬販売店などに勤める農薬管理指導士に相談してください。
また、ラベルには注意喚起マークがついています。注意を促す行為、必ずすること、禁止事項に分けられます。これも参考にしてください。
◆防除器具の整備・点検
作業中の防除器臭の故障は、薬書や事故の発生につながります。エンジン、ホース、ノズルなど事前の整備が大事です。
◆防除日誌の確認
散布に先だって、以前の作業内容を確認することも大切です。改正法では農薬を使ったときには、日時や場所、作物、農薬の種類を記帳しておくことを努カ義務として求めています。こうした記帳で作業内容の確認もできることになります。
天候に注意し、散布面積に見合った薬量を調整します。また、散布日の健康状態に注意し、もし体調が悪い場合は散布作業を避けましょう。冷たいタオルや目薬、・洗眼・うがい用の水を持参しておきましょう。
防除衣など保護具着用
<散布にあたって>
◆適切な保護具
ラベルに記載の注意事項に従って(薬剤に見合った保護具(農薬用マスク、防除衣、保護メガネ・不浸透性手袋)を着用しましょう。高温、高湿時には網シャツ、クールチョッキなどが便利です。
◆作業区周辺への気配り
農薬が飛散すると、人や動物、魚、ミツバチ、蚕などに被書を与えるケースがあります。1.航空防除の際には区域外への飛散を防ぐ2.往宅混住地では飛散を防ぐ3.水田からの流出を抑える・・・などの努カ義務が求められています。常に風向きに注意し、風が強くなったときは散布を中止し、長時間の散布もやめましょう。
◆作業は涼しい時問に
夏場は農薬散布の機会がもっとも多くなるシーズンです。汗をかき疲労も重なる時期だけに、タ方か早朝の涼しい時闇に防除するように心がけてください。一人での長時間の散布を避けましょう。長くても二時間が限度です。
◆作業中に異常を感じたら……
散布作業中や散布後にもし異常を感じたら、直ちに医師の手当てを受けてください。
空き容器は適切に処理
◆後始末をきちんと
農薬工業会では、使い終わった容器の「水洗い三回」を勧めています。三回水洗いすると薬剤の99%以上を除去できるということが、試験で確認されています。洗った水はタンクに戻して使います。使用済みの容器は他の用途に絶対使ってはいけません。空き容器、空き袋はほ場などに放置せず、適正に処理しましょう。野焼きは禁止されています。
市町村が回収しているところでは一定められた方法で処分します。空容器の回収システムがあるところは、それに従ってください。もし、これらの方法がとれない場合は、排出した農家自身が産業廃棄物処理業者に、処分を委託しなければなりません。
◆身体、衣服をきれいに洗う
石けんで手足を洗い、うがいをし、全身を洗います。散布した日は飲酒を控え、早めに休みましょう。
◆農薬の管理はしっかり
農薬が余ったからといって容器を移し替えたりすると、誤飲や誤用の原因となるので絶対やめましょう。また、農薬は小児の手の届かないところに保管しておきましょう。
防除日誌は安全の証明
◆防除日誌をつける
防除日誌の確認の項でもふれましたが、作業内容の記録は以後の農作業の参考になり、農産物の安全の証明となります。防除日誌を必ずつけてください。
JAグループでは「生産履歴記帳運動」を進めています。JAの農産物販売事業を「だれがどのように裁培したか」がわかる、情報開示型に転換し、国産農産物への消費者の信頼を高めていこうというのが狙いです。
農薬の適正な使用で、より安全で安心を求める消費者に応えていくと同時に、農薬による事故を防いでいきましょう。
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| 5月31日(日本農業新聞) |
進むエコファーマー認定
発足3年 一気に2万8000人
環境に優しい農業を実践する農家に与えられる「エコファーマー」(ことば参照)の認定者数が、制度発足三年で約二万八千人に達した。年内には、三万人にせまる勢いだ。六月からは新たに全国統一のロゴマーク(商標登録出願中)も使えるようになり、認定者数の増加に拍車をかける見込み。地域ぐるみでの認定も目立つ。
認定者は、二〇〇〇年度には約千百人、〇一年度は約八千百人増えたが、〇二年度はさらに一万七千人と飛躍的に伸びた。〇三年度は四月だけで約千六百人が加わり、合計二万七千八百三十一人(二〇〇三年四月末現在)にまで拡大した。最近の傾向を農水省は、「地域ぐるみや生産部会など、まとまった単位で認定を受けるケースが多くなった」と指摘している。
県別では、認定者数は、熊本の約五千人がトップ。県単独の支援制度で推進した成果が出た。栃木、岩手、茨城、山形が次いでいる。全体的にみると、千人以上の県は九県、五百〜千人未満も五県に上る。岩手では〇三年は三月だけで一挙に約千二百人、山形では四月だけで七百人が誕生した。一方で、認定者ゼロが三県、一〜十人も四県で、地域の格差が大きいことも、あらためて浮き彫りとなった。
エコファーマーは認定を受けても、国の支援として融資や税制面の優遇はあるが、制度上で大きなメリットはないのが実態だ。急激に増えている理由を各県では、「消費者や取引先からの信頼確保につながる」(熊本)、「安全で安心できる農産物生産をアピールできる」(岩手)と、消費者の信頼向上やイメージアップを挙げている。大手スーパーでは自社開発商品にカを入れ、取引先の産地にエコファーマー認定取得を積極的に呼び掛ける動きもある。
全国環境俣全型農業推進会議は「地域によって、取り組みの格差が大きい。行政と農業団体との連携で、県を挙げて進めていくことが重要だ」と、今後の課題を指摘している。
<エコファーマー>
持続儂業法に墓づいて、土づくりと減化学肥料・減農薬栽培に取り組む農家や法人に与えられる愛称。導入計画を都道府県知事に提出し認定されることが必要。二〇〇〇年度から始まった。
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| 5月31日(日本農業新聞) |
特定農薬 メーカーの動き
指定進まず販売縮小も
農薬取締法改正の影響は、化学農薬メーカーだけでなく、木酢液や植物エキスなどの有機農業向け資材のメーカーにも及んでいる。新設された「特定農薬」の指定が進んでいないからだ。農薬としての登録をしていないため、「防除できる」とは言えない。中には販売を控えるメーカーも出てきた。各社共通して「何が特定農薬になるのか、早く決めてほしい」と望んでいる。
農家は、木酢液や植物抽出液などの資材を、自分の責任で使う分には規制の対象にはならない。しかし、これらの資材を扱う業者は、資材が特定農薬に指定されない限り、防除効果を宣伝して販売することは許されない。罰則の対象にもなる。これを受け、メーカー各社は販売方法の変更を始めている。
特定農薬の新設を受け、木酢液メーカーの木紅木(福島県いわき市〉は、商品の効用に「病害防除」と書くのをやめ、「土壌改良材および植物活性液」として、販売し始めた。
法律を守って販売方法を変えたにもかかわらず、一顧客や取引先のJAからは戸惑いの声が続々と集まった。「今使っているが、これからも使っていいのか」「購入しても大丈夫のか」「法律違反にはならないのか」
同社が改正法の内容を説明しても、理解は得られなかった、使用を控える農家も後を絶たない。同社は、販売方法が法律違反でないことを顧客に証明するため、農水省農薬対策室に直接確認。文書で「防除効果を宣伝していないので販売に問題はない」との回答を得た。この回答蓄を手に顧客に説明。使うのを控えていた農家が、ようやく使用を再開し始めた。
同社の菊地祐美子社長は「農水省に直接確認して〃お墨付き"を得るくらいのことをしないと農家は納得してくれない。けれど木酢液が特定農薬に指定されない限り、使う農家の不安は完全にはぬぐい去れない」と強調する。
有機農業向け資材として植物抽出液を製造、販売するバイオテックジャパン(東京都千代田区)は、特定農薬の新設に合わせ、商品の原料や含有成分、製造工程を包装に明記するようにした。同社も「病害虫防除」の効用をうたわないようにし、「植物活性」と「収量増加」。だけを宣伝する形に切り替えた。
同社の高橋新治社長は「用途を植物活性に換えても、含有成分まで明らかにしなけれぱ農家は安心して使えない。購入もしてくれないだろう」との考えだ。
販売規模を縮小するメーカーも出てきた。輸入切り花の販売会社で、インドセンダン科の樹木、二ームの抽出液を防除資材として販売していたクラシック(東京都千代田区)は現在、一般向けの二ーム液販売を止めている。以前から取引があった顧客のうち、今も購入を希望する人にだけ提供している状態。同社も防除効果は一切宣伝していない。
二ームの抽出液は、海外の有機農業を進める農家の間では「病害虫防除の効果は高い」とされている。日本国内でも農薬代わりの資材として、減農薬栽培に取り組む農家に広がり始めた矢先に農取法が改正され、「特定農薬」が新設された。同杜の西尾義彦社長は「防除効果を宣伝できないので、新しい顧客に売り込めない。営業活動ができない状況だ。今は特定農薬に指定されるかどうか待つしかない」としている。
特定農薬は現在、資材を指定する方法を検討している段階。すでに指定されている食酢と重曹、地域で採取した天敵以外、何が特定農薬になるかは、依然としてめどが立っていない。
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土壌消毒に強い“見方”
価格安く効果高い
クロルピクリン投薬試験
【埼玉.ふかや】二〇〇五年の臭化メチル全廃に向け、JAふかや八基支店秋冬野菜部会特栽部はてのほど、部会員の下山雅章さん(四三)のネギ育苗ハウスで、クロルピクリン錠剤を代替品として土壌消毒試験をした。
試験は、大里農林振興センター普及部が指導し、深谷市園芸協会の協力を得て行った。
三月下旬に(特殊フィルムに包まれた一錠四グラム入りのクロルピクリン錠剤を、約八十平方メートルの育苗ハウスに投薬した。
一平方メートル当たり十錠と七錠の試験区を設置。四月中旬に播(は)種した秋冬ネギの苗床で効果を見た。両試験区とも発芽率、生育状態が良好で、雑草の発生もなかった。
同錠剤は、適度の湿気を帯びるとフィルムが解け、徐々に有効成分がガス化し拡散する。アブラナ科、ネギ科など多くの作物に登録があり、苗床や床土の病害予防や殺虫、除草の効果がある。
クロルピクリンは、油剤、固形テープ、錠剤の三種類が販売され、多くは油剤だが、素早くマルチを施玄すことや吸引しないようにするなど、使う側にも注意が必要だ。同錠剤は、油剤などに比べ価格も安い。
下山さんは「使う人にも優しい薬剤でなければ当然、消費者にも安全ではない。こうした薬剤が多く増えればいい」と効果に満足しでいる。
今後、JAふかやでは錠剤を臭化メチルの代替品として普及していく方針だ。
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| 6月4日(日本農業新聞) |
「農業特区」始動
今夏にも企業参入本格化
リース方式、全国拡大も
株式会杜が農地を借りて農業に参入できる「農業特区」が動き始めた。構造改革特区の一環で、今夏に格化する。農水も参入が本省は有効性を見極めたうえで特区方式を全国に広げる方針。成功すれば農業経営の効率化や遊休農地の減少などが期待できる。
「特区認定を契機にオリーブ栽培事業を一気に拡大したい」。醤油(しょうゆ)の製造・販売を手掛けるヤマサン醤油(香川県府海町)の塩田洋介杜長は意気軒高だ。単価下落で売り上げが伸び悩む本業に比べ、化粧品の原料にも使われるオリーブオイル市場は今後も有望とみている。三年内に四〜五ヘクタールの遊休農地を借りて約五千本のオリーブを植える計画だ。
構造改革特区は、全国どこでも同じように決めている規制を特定の地域に限って撤廃・緩和する試み。株式会杜は個人より銀行から資金を調達しやすく、入材も集めやすいなどの利点がある。しかし株式会杜が農地を借りる揚合、通常は役員の半数以上が農業に従事する農業生産法人を設立するなど厳しい規制がある。農業特区ではその規制がなく市町村が遊休農地を集めて貸し出すため、企業が土地を探すコストや手間を省ける。
株式会社の農地リースが認められた地区は特区認定の第一弾と第二弾を合わせて十六件。兵庫県が株式会社の参入で、耕作放棄地が現在の百四十八ヘクタールから十年後に約半分にまで減るとみるなど、経済効果に対する期待は大きい。農水省も特区認定に積極的に対応するとしており、今後も認定地域の数は増加しそうだ。
大企業も農業特区の活用に動いている。カゴメは農業特区の認定を受けた和歌山県の土地開発公社の土地を約四十ヘクタール借り、温室を設けてトマトを栽培、小売店に直接販売する計画だ。ワタミフードサパビスも居酒屋などで提供する料理の素材として農産物の生産に注目、特区を活用するメリトについて調査を始めた。食の安全性確保を重視し始めた企業が農業経営に関心を強めている。
順調にみえる特区構想にも課題はある、特区が地域限定であるうえ、農地取得が認めちれないなど制約が多いからだ。すでに企業から「指定された特区に適当な土地がない」「農地所有者が多くいる場合、広大な土地をいつまで借りられるか不透明」などの不満から一層の規制緩和を求める声が出ている。農水省は特区方式の全国拡大について「地域住民の信頼を得た上で踏み切る」(同省幹部)方針。ただ、農地取得については「株式会杜が利益追求のために農地を産業廃棄物処理施設など農業以外の用途で使う可能性が高い」として消極姿勢。自民党農林族や農業団体には「株式会社が農村に入ってくれば、地域住民に無用の混乱を招く」と、依然として特区にすら反発がくすぶっている。
後継者灘などで直近調査の二〇〇〇年の遊休農地の面積は約五十万ヘクタールと五年前の1.5倍、耕地面積全体の約十%にまで増えた。企業から見れば「農業というビジネスチヤンスがあるのに規制が足かせになっていた」(日本経団連)。特区が農業活性化につながるか、注目が集まっている。
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| 6月4日(日本経済新聞) |
切り花出荷 中央卸売市場に
傾斜設備整い買い手多く
菊やバラなど切り花について、市場全体が縮小する中、規模の大きい中央卸売市場の取扱量が増加している。花き業界は不況による企業の経費削減などで業務需要が低迷、卸値も落ち込んでいる。生産者は設備が整っていて買い手も多い中央卸売市揚への出荷を優先し始めている。
農水省によると二〇〇二年の切り花卸売数量は六十五億七千六十六万本と前年比一%減ったが、中央卸売市揚は十九億四千三百三万本と同四%増加、全体の約三〇%に達した。特に増加の薯しいのが東京都中央卸売市場で、大田など五市場の合計で八%増となった。
販売店も消費者の好みの多様化に対応、多品種をそろえる中央卸売市揚で仕入れる店が増えている。生産者側も大田など規模の大きい市場に出荷することで「ブランドを全国にアピールできる」(静岡県の大井川農業協同組合)としている。
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| 5月16日(日本農業新聞) |
天敵を生かし効果的に防除
多くの難防除害虫に有望
<天敵の活用>
難防除害虫には、農薬による主要害虫の防除の代償として問題になった種が数多く含まれる。害虫化の主な原因は、非選択的な殺虫剤の使用で天敵が激減したためである。なかでも世代が短くて繁殖力が強い小型な害虫、ハダニ類、コナジラミ類、アザミウマ類、アブラムシ類などにその例が多い。
海外で幅広い殺虫剤に低抗性を獲得してから日本に侵入したミカンキイロアザミウマ、シルバーリーフコナジラミ、マメハモグリバエなどもこのグループに入る。天敵の活用が最も有望なのがこれらの害虫である。岡山県で露地ナスの大害虫、ミナミキイロアザミウマの防除に土着天敵のナミヒメハナカメムシを活用する技術が開発されたのをはじめ、天敵の有効利用の試砂が各地で精力的に進められている。
省カ的な授粉のためにマルハナバチなどが導入された施設野菜では、訪花昆虫に影響のない書虫の防除法として天敵製剤の利用が盛んになった。施設栽培における生物的防除の先進国、オランダで製剤化された天敵に加えて土着天敵の製剤化も進み、二〇〇三年三月現在で施設野菜のハモグリバエ類、コナジラミ類、キイロアザミウマ類、アブラムシ類、ハダニ類を対象に、寄生バチ類、カブリダニ類、ショクガタマバエ、ハナカメムシ類、ナミテントウ、ヤマトクサカゲロウなど計三十剤が登録されている。今年三月から天敵製剤の対象書虫が大幅に拡大された。ゾウムシ類やコガネムシ類などの幼虫対策には昆虫寄生性線虫スタイナーネマ三種がある。複数の天敵製剤を他の防除素材と組み合わせて施設ナスのIPMを確立した高知県では技術が急速に普及している。
微生物天敵の活用も拡大している。長年使われてきたBT剤のほかに、ネコブセンチ、ユウを対象とするパスツーリア菌、ゴマダラカミキリとキポシカミキリ用のボーベリァ菌、アブラムシ用のバーティシリウム菌が登録され、病書に対しては各種の細菌、糸状菌が登録されている。拮抗微生物も微生物製剤として登場した。鹿児島県における茶のハマキガ類の防除では二種の顆粒病ウイルスの利用が定着し、防除回数が半減している。
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| 5月16日(日本農業新聞) |
各地に根付く総合的病害虫管理
対象害虫が大幅拡大
<害虫の行動抑制>
リンゴ、梨、桃などの果樹では重要害虫のシンクイムシ類やハマキガ類の性フェロモシをブレンドした交信撹(かく)乱剤が開発され、防除の省力化に大きく貢献した。性フェロモンによる交信撹乱は野菜害虫のシロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウ、コナガなどの防除でも実用化している。フェロモンに代表される誘引剤は省力的な発生モニタリングにも活用されている。
夜行性害虫の誘殺には青色蛍光灯が古くから使われていた。一方、黄色蛍光灯には果実吸ガ類の行動を抑制することが知られており、果樹園では古くから利用されていた。この黄色蛍光灯がオオタバコガやハスモンヨトウなどのヤガ類の行動抑制にも効果的であることが兵庫県で実証され、施設のカーネーションやスイカのヤガ対策に普及している。このほかにも、光反射シートによるマルチ、近紫外線除去フィルムによる被覆など、警虫行動を制御するIPM素材は豊富である。防虫ネットや太陽熱を利用した防除も見逃せない。
<IPM素材としての化学農薬>
化学農薬も、作用特性が異なる薬剤が次々に開発され、使いやすさや環境への放出削減を追求した剤型、マイクロカプセル化やコーティングによる残効性の確保、ターゲット効率的に働く施用法の開発が飛躍的に進んだ。とりわけ従来の殺虫剤とは作用機作が異なる昆虫発育制御剤(IGR剤)や天敵への書が少ない選択性殺虫剤はIPMで広く使われている。難防除害虫に対しても有効な薬剤が出そろった。天敵製剤などの防除素材は、害虫密度が高まった後では十分な効果が期待できない。
天敵の利用効果を高めるために、あるいは天敵では防除が追いつかない時に使える化学農薬があることで、幅広い柔軟なIPMが可能となっている。病害に対しても従来の殺菌剤に替わる製剤が登場している。なかでも作物の全身低抗性を誘導するいもち病防除剤は、持続的で安定した効,果の期待できるIPM素材として注目されている。
防除資材を良く知って
<IPMの将来に向けて>
IPMの出発点は病害虫や防除資材についてよく知ることである。書虫や天敵の活動を観察し、防除の効果を直接見ることが新しいアイデアの手がかりになることがしばしばある。天敵ひとつを取り上げても、利用され始めた種類はまだこく一部に限ちれているし、一安定した防除効果を得るための方策も開拓の余地が残されている。長期残効性の育苗施薬し、野菜や果樹に比べて病害虫防除作業の省カ化と防除回数の削減がすすんだ水稲でも、書虫の発生減沙に合わせて育苗箱処理を中断する試みや、地域ぐるみで斑点米カメムシの発生源を管理する努カが進められている。
個人でできることには限りがあっても、IPM技術づくりを目指す農家を支援する情報ネットワークが育っている。個人レベルで実施するIPMから地域レベルで取り組むIPMまで、広範なIPMの主役は農家ある。
中央農業総合研究センター
虫害防除部虫害防除システム
研究室長 鈴木芳人
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「特定農薬」進まぬ指定
農家も業者も「困った」
改正農薬取締法で特定農薬が新設されたことを受け、農業生産資材を売るに売れない業者が出てきた。植物抽出エキスや木酢液などを生産・輸入する業者だ。これらの資材は、特定農薬の指定が決まるまでは「経過措置期間」として、使用が認められている。しかし、農家は使用を敬遠。業者は指定を受けるまで、販売を中止せざるを得ないのが実態だ。健康食品メーカーが出資して作った白菊ジャパン(兵庫県西宮市)は、一九九九年から中国・雲南省で、除虫菊紛末の生産を始めた。家庭用の蚊取り線香や、農業用の殺虫剤として販売するためだ。同省には、もともと除虫菊栽培がなかった。高冷地で花栽培に恵まれた環境に注目し、同社が栽培方法を教え、産地をつくってきた。現地では今が開花の最盛期。広大な土地が、除虫菊の白い花で覆われる。農家は丸一日、原料の花を手で摘み取る作業に追われている。すでに同省内の六万戸の農家が、四千六百二十ヘクタールもの大規模で栽培している。中国での生産体制が整い始めた矢先に、無登録農薬問題が起きた。その後、農薬取締法が改正され、化学農薬ではない「特定農薬」という考えが新たに示された。同社は当初、特定農薬の新設を〃追い風"と見ていた。除虫菊粉末が特定農薬に指定されれば、化学農薬を使わない有機農業志向の農家から注目を集めると考えたからだ。ところが、改正法が施行されニカ月が過ぎても、いまだに特定農薬の指定は拡大していない。除虫菊粉末も、特定農薬にならないままだ。現在「特定農薬」の指定は食酢と重曹、それに使用される場所の周辺で採取された天敵昆虫の三つ。これ以外は、今のところ指定のめどは立っていない。情報提供があったものを整理し、指定する基準を作っている段階だ。
農水省は、特定農薬の審議をする間を経過措置期闇とし、こ-の期間は除虫菊粉末のような資材を農家の自己責任で使えるようにした。しかし生産現場では、今後どのような資材が指定されるのか予測が付かないため、こうした資材の使用を手控える動きが出てきた。ある野菜産地では、植物由来エキスを使っていた農家が、法改正以後、エキスの使用を取りやめ、防除を化学農薬に絞った。JAの生産部会で使用自粛を決めたからだ。エキスが特定農薬に指定されなかった場合、国が認可しない資材を使っていたと、受け止められかねないとの心配もある。農薬取締法の改正以来、経過措置期闇があるにもかかわらず、売れ行きが急激に落ちている資材は多い。白菊ジャパンも「今は販売しても売れそうにない」と、特定農薬の指定を待って販売を始めることにした。こうした資材を抱えるメーカーからは「早く指定の作業を進めてほしい」との声が上がっている。
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| 5月14日(日本農業新聞) |
商品価値高める手段
店内での豊かな会話
地域直売所は、商品の真の価値を顧客と共有できる場である。農産物やその加工品は、もともと作った人のなまの説明によって価値が高まる。特に、有機農産物や減農薬・減化学肥料農産物、地域特産加工品は、作った人の存在が何よりの〃証し"ではあるが、栽培方法や品種の特性、加工方法などの説明があって納得が深まるとともに、顧客の生活に役立つ情報となる。地域直売所はそれを実現する最適な場であると言える。店内での会話は、店内のポスターや掲示、写集、ちらしなどのほか、試食機会を積極的につくることによってさらに有効性を発揮する。
それだけではない。この会話活動の中から顧客の求めている期待や欲求が具体的に把握できる効果がある。工夫すれば商品のテストマーケット(試験販売)の場にもなり得る。顧客と農業者や加工業者との双方向の関係がつくられる場なのだ。つまり、リレーションマーケティング(コミュニケーションマーケティング)を生み出す場と言ってよい。日本農業新聞でも報道しているように、群馬県のJA佐波伊勢崎農畜産物直売所あずま店は、スーパとの競争が激しくなる中、「地元産」「新鮮」を旗印に、野菜、肉や加工品など豊富な品ぞろえの上に、生産者の栽培方法や料理法を紹介する「手づくり掲示板」が顧客の目を引き、ロコミで県外からの顧客も増え、二億五千万円と著しい売り上げ増に至っている。千葉果のJA袖ケ浦女性部直売所は、商品の説明を徹底する"をモットーに、加工品はもちろんのこと野菜や果物についても、顧客から「これ何?」と尋ねられれば、間髪を入れずに答えを返すことにしている。野菜の作り方や品種の説明のほか、煮物や漬物のおいしい作り方を説明する。埼玉県の川里村くりちゃん直売所の栗原サダさんは名物おばあちゃんで、「カキ菜はこのゴマであえるとおいしいよ」と助言する。顧客は、これで買う気になり、また来ようと思う。提供を受ける情報だけではなく、おばあちゃんと接触するぬくもりが顧客の心に残るのであろう。
長野県阿智村の昼神温泉朝市では、数々のヒット商品を生み出したが、その中に「初恋かくれんぼ」(リンゴのスポンジケーキ)があった。この名称が珍しいと若い男女のカップルが店のおばさんに尋ねる。その農家のおばさんは、信州が生んだ文豪島崎藤村の詩「初恋」からとった名前だと答え、そこでさまざまな会話が交わされる。これはまさに、特産加工品が備えた地域の「物語性」であろう。現状は、せっかくの店内での会話機会や情報提供の機会を生かさずじまいになっているケースが多いように思われる。組合員が月に一、二回交代で店頭に立てば実現できることだ。それに、店頭で得た顧客の声を組合員みんなのものにする会台(情報交流)の機会をつくることも大切である。販売時点構報管理(POS)の売り上げ状況データと合わせれば、極めて有益な戦略情報となる。
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命の重みが団結呼ぶ
JAマンの寝熱意で共同配送を実現
一人の菊農家の死が、きっかけだった。
一九七九年九月。大阪の市場へ菊を売りに行った帰り道で、その人は交通事故に遭った。奈良県平群町(へぐりちょう)の農家。悲報は西和農協(当時)の営農指導員・寺西由晴にも届く。二十四歳の寺西は、働き通しで命を縮めた農家の死に大きな衝撃を受けた。
■悲惨な事故
秋の彼岸は、菊の最需要期に当たる。農家は日没まで収穫し、夜を徹して束にする。そして午前五時、眠る間もなく市場へと出発する。生駒の山を越え、市場のせりを見届けた帰り道で猛烈な睡魔に襲われた。運転中の居眠りが命取りになった。死亡事故は初めてだが、突事故なら毎年起きている。「命を落としてまで、なんで運ばなあかんのや」。若い寺西は思った。「運送は農協がやるしかない!」。寺西は上司とともに、のベテラン農家百五十戸を説得しに回った。「農協が集出荷場を造り、責任を持って市場へ運ぷよ」。だが農家はなかなか、うんと言わない。「せりに顔を出すからこそ、卸も高値で応えてくれるのだ」。固くそう信じていた。
反対され続ける寺西の体を、胃かいようが襲う。それでも寺西は注射を打ち、タ飯を済ませては毎晩、農家を訪ね歩いた。「今までのやり方を見直す時かもしれない……」。寺西の熱意に押され、賛成する人が少しずつ現れた。農家全員が合意したのは、事故から二年後のことだった。八二年。生駒山のふもとに、農協の集出荷場ができた。同年七月、悲願の共同配送が始まる。同時に、ばらばらだった農家が団結し、初めての部会「西和農協花卉(き)部会」が組織された。のちに夏秋の小菊で茨城と並ぶトップ産地になる、大きな転機だった。
:共選めざす
「どうしたら、農家にもっと喜ばれる仕事ができるのか。菊の大産地として、市場に認られたい」寺西は走っていた。農協による共同選別を、次の目標にした。品目を小菊に絞った。八○年代に入ると米の生産調整が強化され、各地に菊産地が増えた。輸菊は愛知の渥美や福岡の八女の規模に勝て、ないが、小菊なら、質と量で勝負できそうだった。
春・秋の彼岸と、盆。この時期の一週間だけは、ふだんの倍は売れる。どんな天気の年でもこのときばかりは出荷を集中させるのが、市場の求めるプロの産地だ。
国の整備事業で、生駒の山の斜面を七十秒の小菊畑にした。ふもとから山頂までの標高差は四〇〇炉。途切れることなく小菊を出し続けるリレー体制が整った。共同配送で結ばれた農家と農協は八七年、京阪神八市場向けの共選にこぎつけた。八二年からの五年間出生産面積は二倍に膨らみ、市場の評価も固まった。「不況のいまでも勢いの衰えない産地だ」。大阪・鶴見花き常務の奥田孝は、平群の小菊に大きな信頼を寄せる。洋花に人気が移る中、市場や花店の信用に応えようと、ひたすら小菊を作り続けた。その結果、九〇年代の生産量はその前の十年闇の二倍に伸びている。寺西は今年、四十八歳。JAならけん統括龍田支店の営。農経済部長として、産地を見守る。盆に彼岸。日本の伝統行事の中で、平群の小菊は仏前を飾り続けている。
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| 5月12日(日本農業新聞) |
人材確保 販路拡大 滋賀県
国の雇用事業活用で一石二鳥
滋賀県は、国の雇用創出特別基金を活用し農産物の販売強化と雇用創出という一石二鳥の取り組みを進め、成果を挙げている。県から委託を受けたJA全農しがは、県産ブランド「環境こだわり農産物」の専任販売員を雇い、スーパ一などでの店頭PRに派遣。販路は着実に広がっている。県予算に組み入れ、農産物販売に人材を雇用するのは、全国でも珍しい。仕事を求める失業者と、農業関係者の思いを組み合わせたアイデア事業だ。
「環境こだわり農産物」に専任販売員」
ブランド定着化 失業者の受け皿
「県産農産物の販売員募集・・」
全農しがの求人票が職業安定所に張り出されたのが、昨年四月。杉本れい子さん(36)の目に止まった。職業安定所に四カ月間通い、やっと見つけた仕事だった。「失職前はスーパーの青果部門で働いていた。自分に合った仕事を見つけられ、ラッキーでした」と杉本さん。現在、専任販売員として活躍している。毎週金、土、日の三日間、大津市の道の駅「びわ湖大橋米プラザ」を中心に、スーパーなどの販売促進に立つ。日給一万円。月十二万円は、一般のパートタイマー収入を考えれば「割のいい仕事」(杉本さん)だ。もうすぐ雇用期間の上限である六カ月を迎える。「環境こだわり農産物」のブランド化を強カに進める同県だが、「財政事情からみて、農産物販売の単独予算は難しく、雇用事業と粗み合わせたことで実現した」(農政水産部)と話す。「こだわり農産物」の認証条件は、憤行栽培に対し、農薬・化学肥料の半減に加え、水田からの濁水防止など琵琶湖をはじめとした周辺環境の負荷軽減を盛り込んでいる。今年度は、同認証の推進を県条例で位置付けた。販売強化策も、政策支援の一環だ。昨年度は、県を支援し新たに雇用を生み出す国の基金を活用、PR事業に約五百六十万円の予算を計上して、三人の女性を雇用した。道の駅や県内三十店舗のスーパーで年間百五十一日の販売促進を展開した。今年度も新たに二人以上を雇う予定で、「産地間競争が激しくなる中で、県産ブランドを早急に定着させたい」(同部環境こだわり農業課)狙いだ。農業関係で、環境美化や森林整備などで基金を活用したケースはあるが、農産物販売での雇用は極めて珍しい。
運営を受託したJA全農しがは、販売員を有効に使い販路を拡大した。管理部の岩井利之課長補佐は、「消費者に直接語りかけることで、知名度は確実に上がっている。販促がスーパーの売り場確保につながった」と強調する。業者の販売員に依頼すると、最高で一日約二万円はかかる。県予算で雇用できるメリットは大きい。
一方、受け入れ側の一つ、県内の大手スーパー平和堂も販促を歓迎。生鮮食品事業部青果課の鳥塚一郎課長は「安全で安心できる農産物に消費者の関心が高まっている中、地産地消は欠かせないキーワード。県やJAとの連携は、これからも深めていきたい」と広がりを支援する考えだ。
道の駅「びわ湖大橋米プラザ」。トレードマークの黄色の法被を着た杉本さんが毎週末、環境こだわりの無洗米をPRする。販促を始めたことで、同施設の米の売り上げは約二割伸びた。
「環境こだわり米の価格は他に比べ少し高めだ。説明し、理解してもらうことが売り上げ増につながっている」と小寺宗一同プラザ業務課長は、専任販売員の設置効果を強調している。
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| 5月11日(日本農業新聞) |
マルチ 農薬使わずに雑草、害虫抑制
農業の手間の1つに、雑草取りがある。雑単は、作物の成長を遅らせるばかりか、害虫のすみかにもなるなど、いいことは1つもない。抜き取りは欠かせない作業だが、夏場の抜き取りは体カ的にも厳しい。手っ取り早いのは、除単剤を散布することだが、薬剤をなるべく使わないで育てたい人も多い。そんなときに、お薦めなのが、ポリエチレンや紙などの資材で畑を覆う「マルチング(マルチ)」だ。マルチで、得られる効果はたくさんある。雑単や害虫の発生抑制・防止、土中の水分調整や保温などを中心に、種をまいた時にすれば、風で種が飛ぶのを防いでくれるし、鳥に食べられる心配も少なくなる。ミカン産地で見かける銀色のマルチは、果実にまんべんなく光を当てる役割がある。素材も、ポリエチレン、ビニールに加えて、生分解性の素材でできたものなど、いろいろな材質のフィルムが市販されている。
ポリエチレンのマルチ資材は、保温や保湿など、用途別に使い分けられるので便利だ。プチ農園で便利なのは、手軽で、お金もかからない、稲わらや、もみ殻を使った天然素材のマルチだ。どれも一長一短がある。特徴を無視して使えば失敗もあるので注意が必要だ。
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| 5月11日(日本農業新聞) |
線虫害回避の新輪作体系 埼玉県
ギニアグラスを導入
収益性向上、環境保全も
埼玉県農林総合研究センター園芸研究所鶴ヶ島試験地(鶴ヶ島町)は野菜の線虫被害防止に、土壌薫蒸剤に代わる技術として、イネ科の牧単ギニアグラスをクリーニングクロップとして組み込んだ輸作体系を開発した。
新体系は、ダイコンとニンジンを組み合わせた従来の作型と比べ、可販収量が同程度かそれ以上。さらに、ホウレンソウを導入することで収益性を高めている。減農薬になるため、有利販売や環境保全にもつながる。
同県南部の畑作地帯では、野菜、特に根莱や果菜類の垣常的な線虫被害に悩まされており、年一回のD-D(殺線虫薫蒸剤)処理が欠かせない。しかし、都市化などで、これに代わる技術が求められている。
毎年六月にD-D処理し、ニツジン・ダイコンを作付けする慣行栽培に対し、新体系では六月にギニアグラスを種まき、八月下旬に刈ってすき込んだ後、翌々年六月までの二年間に、ホウレンソウ・ダイコン・ニンジン・ダイコンの順で作付けする。管内の農家ほ場を使った実証試験で、新体系の線虫(サツマイモネコブセンチュウ)の密度は、D-D処理した慣行栽培と同程度に減少し、その後も大きな増加はなかった。ニンジンの被書度は慣行よりやや高かったものの、ダイコンの岐(き)根率は低かった。
収益に直結する可販収量を比較すると、一サイクルニ年間で、ダイコン(二作合計)は一アール当たり(慣行八百七十三計に対し新体系九百十六キロ。ニンジン(一作分)でも同じく四百二十八キロに対し四百八十七キロとどちらも新体系の方が多かった(一九九九_二〇〇一年に試験、二作目は線虫以外の虫害が多く収量は通常より少ない)。ホウレンソウ導入による収益性向上も含め、同試験地では、十アール当たり総所得が16%増加する、と試算している。
ただし、ギニアグラスによって線虫被害が抑制できるのは、線虫の密度が通常程度の場合で、高密度のときはまず、薬剤による密度低下が必要。新輸作体系は浦和地区の一部農家で導入が始まっている。同試験地の上田智子さんは「今後、県南部の露地野菜地帯を中心に普及できれば」と話している。
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| 5月8日(日本農業新聞) |
食衛法改正踏まえ第1弾
11農薬に残留基準 厚労省
厚生労働省薬事・食品衛生審議会の専門部会は七日、新たに十一農薬に対する残留基準値案を決めた。メロンに使う植物生長調整剤「エチクロゼート」、水田除草剤の「オキサジクロメホン」など。同省は、残留基準が設定されていない農薬について、毎年約二十農薬を目標に進めていく計画で、今回はその第一弾だ。
今国会で審議中の食品衛生法改正案では、残留基準値のない農薬を検出した食品は輸入・販売が禁止される。現在、日本では二百二十九農薬について基準値が設定されていが、国内で登録のある農薬でも残留基準値のない農薬が約百七十もあるため、同省は設定を急いでいる。また同部会は、すでに残留基準値のある四農薬の見直しを行った。殺虫剤「クロルピリホス」は、ダイコン類について現行基準の3ppmからO・5ppmと厳しくした。このほか「EPN」「フェンピロキシメート」「マレイン酸ヒドラジド」の基準値を見直した。国内外で使用が確認されていない農産物については、基準値を削除した。
基準値の設定は、国際的な食品安全規格を定めるコーデックス委員会の基準値に沿った。国際基準がない場合は独自に設定した。
同省は今後、基準値案を世界貿易機関(WTO)に通知する。基準値案はその後、食品衛生分科会で正式に定められる予定だ。
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| 5月8日(日本農業新聞) |
ネット直販が人気
旬の農産物全国ヘ
トマトや桃、積極的に
福岡・JAくるめ
【福岡・くるめ】JAくるめがインターネツトで始めた農産物の直接販売(ネット直販)が、人気を呼んでいる。
「ザ★直販」と銘うって、同JAホームページから接続できる。同JAオリジナルブランドの調理用トマト「クックちゃん」や、フルーツのような甘みと酸味をもつトマト「トマトの誘惑」などを販売している。
個人では入手が難しい農産物も手に入れることができ、今後利用者の増加が見込まれる。注文を受けた商品は、同JA園芸流通センターから消費者に発送する。
このコーナーを担当する同JA販売開発課の金子竜平さんは「日本各地から注文が可能。久留米産の旬の農産物を多くの人に食べてもらいたい」と話す。これまで新イチゴ「あまおう」の購入者から「新鮮でみずみずしく、香り豊かでおいしかった」という電子メールが届き、関係者も喜んでいる。こうした、消費者とJAの間で交流できるのもネット直販ならではの魅力だ。現在は、県内トップを切って出荷が始まったばかりの桃が登場。今後も季節ことの旬の野菜や果実が販売される予定だ。アドレスhttp://www.ja-kurume.or.jp/
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| 5月7日(日本農業新聞) |
野菜洗浄機を改良し活用
かごトレイ再利用
出荷コスト軽減に成果
【神奈川・横浜】横浜市港北区新羽町で施設園芸を営む峯木健一さん(四三)は、改良を加えた野莱用の洗浄機で使用済みのかごトレイを洗って再利用し、出荷コストの軽減に成果を挙げている。
一般に生産者は、新品のトレイを一個五十から六十円で購入。パック苗をこれに詰めて出荷するが、小売店では汚れた状態で山積みにされ、処分には費用もかかる。生産者が利用しようと引き取っても、洗うのに手間がかかっていた。
そこで峯木さんは、倉庫に眠っていた野莱洗浄機に着目。「モーターで回転ブラシが回るので、あとは水が出ればいける」と、水はねよけのカバーに穴を開けホースをつないだ。水は地下水を利用。作業所の下に、ブロックで囲まれた貯水槽があり、ブロックでろ過された地下水が、自然にたまる仕掛けで、いろいろな用途に役立っている。一個当たりの洗浄時間は一分ほど。回転しながら水を出すブラシに、トレイの各面をあてるだけで新品のようにきれいになる。「小売店では使用済みのトレイを無料でくれるし、市場にはきれいな状態で運べる」と峯木さんは成果を話す。
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| 5月7日(日本農業新聞) |
野莱産地の販売支援へ本格化
特売にもきめ細かく対応
大手青果卸の東果大阪(大阪市)は、小売店の青果物売り場に立てるPOP(掲示板)作りなどを産地から請け負うサガビスを本格的に始める。特売の予定に合わせて店ことにデザインを変えたり、詳しく産地を紹介するなど、きめ細かく対応する。"川中"にいる流通業者の強みを生かし、POPのほか、ポスター、包装ラベルなど、店内の販促品全般を有料で作る。すでにイズミヤなどのスーパーで使用。各に合わせたデザインが好評だ。昨年新設しIT(情報技術)・マーケティンググループで、職員七人が担当する。営業部門のせり人と連携し、特売にも素早く対応。主婦向けのテレビ番組を常時チェックし、連動したレシピ付きPOPなども提案する。店側から要望の強い生産者の紹介ポスターも作る。今春作ったイチゴ産地のポスターは、多いところで百人を超える生産部会全員の顔を載せた。同社のせり人が産地に出向いた際、写真を撮って協力。デザインや印刷は、大阪市の同社内でする。重田秀豪社長は「流通業者の強みを生かし、育果物を効果的にPRしたい」と話している。
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| 5月7日(日本農業新聞) |
トレーサビリティー
生産・流通現場からの報告
安全と品質に責任 差異化へPBに力
大手スーパー・イトーヨーカドー大井町店(東京都品川区)の野菜売り場。その一角に、同社のプライベートブランド(PB=自社開発商品)「顔の見える野菜」コーナーがある。幅二mほどの陳列棚いっぱいに農家名がついたトマト、ホウレンソウなど十二品目が並ぶ。
品定めをしていた五十代の女性は「農家の名前がついているだけで、味も安全性も大丈夫って思います」と気に入った様子。混雑こそしないが、途切れず人が訪れる。
昨年五月にスタートした同コーナーは今年六月には六十店舗、三年後は全百八十店舗に設置する。青果部の押久保清志バイヤーは強調する。「お客が知りたいのは栽培した人の名前。だから農家ことに管理できる仕組みが必要です」。PB野菜の契約農家は現在三百人。これを三年後は三千人、野菜売上高の30%まで引き上げる計画だ。
「顔の見える野菜」が店頭に並ぶまで道のりは、長く手間暇がかかる。出荷の一カ月前、バイヤーが農家と商品の打ち合わせをするところから始まる。三週間前には農家が、登録申請書類を四つ提出。土壌診断書、それに農薬の詳細な使用内容や農産物の特徴、農家の顔写真などをつけた栽培履歴管理表、さらに「ブランドを一緒に作っていこう」と意思確認する誓約書、最後は残留農薬検査の緒果報告書だ。書類の提出を受けて、ヨーカ堂の職員でつくる「審査認定委員会」が、ほ場に出向き審査。承認となれば生産履歴データが、情報管理を専門に行う会社に送られ入カされる仕組み。
しかし、これだけでは終わらない。出荷の二週間前になると、農家は名前とID番号が印字されたシールを受け取る。包装の要らない例えばレタスの場合は、農家が段ポール箱に詰める際にシールを個数分入れて出荷。店舗でシールをレタスに張って販売となる。また、包装が必要なキュウリの場合は、ヨーカ堂の子会社・アイワイフーズなどの施設で袋詰め作業が行われ、シールを張る。作業は生産者ことに分別管理するため、とても気を使う。押久保バイヤーは「一日に千ものパレットが行き交う施設内で、生産者ことにパレットを分け包装まで管理するのは大変だ」と説明する。農産物の生産・流通履歴のデータ管理は、すべて情報会社が行う。何か問題があった時の原因追跡はもちろん、消費者が購入した後も、インターネットにID番号を入力して情報が見られる。
農家の負担は、土壌検査代から残留農薬検査代を含めて数万円以上かかる。それに、登録申請費用一作物三千円、シール代一枚一円が加わる。ヨーカ堂は、初期システム整備五千万円以上、運用コストは三年後の軌道に乗った時点で年間一億円弱を見込む。ヨーカ堂はこれまで、「ミネラル野菜」など多彩なPBを展開してきた。しかし、昨年の春に起きた残留農薬問題を受けて再点検してみると、減農薬減化学肥料栽塔の基準一つをとっても、消費者に説明しきれないあいまいさが出てきた。早速、半年かけてPB基準の修正に追われた。できたのは、生産地は当面日本とすること栽培方法は土耕、栄養価の高い適地適作の重視など十項目以上の基準。同時に味も重視する。PB野菜に取り組む農家には週に一度、糖度や酸度の評価を伝える。改善点を指摘し、前向きに取り組んでもらうためだ。農産物の自社基準を明確に打ち出したヨーカ堂。戸井和久・シニアマーチャンダイザーは「トレーサビリティー(生産・履歴を追跡する仕組み)は生産と流通が近づくための一つの手段。それが自社プランドの商品を、自信を持って販売することにつながる」と強調する。
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| 5月4日(日本農業新聞) |
新青果情報システム
有利販売にぜひ生かそう青果物取引の分野にも急速に進んでいる。JA全農や日園連な情報システムが十月に稼働する。産地と青果市場との情報交換はこれまで、電話やファクスに頼っていたが、これをコンピューターで容易にする。情報処理が現在より素早くでき、経費も削減できる。JAにとって有利販売につながり、利点が多い。対応を遅れないようにしたい。
新情報システムは、国が進めている青果物、花き、食肉、鮮魚の生鮮四品の取引を、コンピューターでできるようにする電子情報交換(EDI)化の方向に沿って開発した。青果卸などに背番号を付け、コンピュ一ターで情報交換する。インターネットを利用することで、膨大な情報を素早く伝達できる。
現在、全農県本部・経済連と青果卸を結んでいるコンピューターシステムの「ベジフル」は、二十年前に仕切り情報を送る「ドレス」として始まった。その後、産地からの出荷確定情報(逆ベジフル)が加わった。現在、五十四の県本部(経済連)・専門連と約三百社の青果卸を結んでいるが、県本部とJAがコンピューターでつながっているのは数県と少ない。多くがファクスや電話でやりとりしている現状だ。新システムは、迅速に情報交換できるほか、県本部・経済連とJAとの接続が容易になり、最近増えている予約相対取引にも対応できるのが特徴だ。べジフルでは、青果卸の仕切り情報が県本部を経由して、JAにすべて届くのはタ方遅くか翌日になる。新システムは、情報を分散処理するため、青果卸が仕切り情報を入力すれば、クイマー起動でほぼ同時にJAに届く。JAは、午後の早い時刻に情報を入手でき、翌日の出荷販売に生かすことができる。JAからの出荷確定情報も、同様に青果卸に素早く届く。卸にとって、スーパーなどへの販売に対応するためには、産地からの出荷確定情報が欠かせない。ところが、葉物野菜など鮮度が重要な品目は、近郊産地になればなるほど出荷がタ方遅くなり、出荷確定情報が卸に届くのも遅くなる。しかも、逆ベジフルを利用しているのは十六県だけで、出荷量全体の二〜三割にどどまっている。このような理由もあって、逆ベジフルを利用する青果卸は半分の百六十社に過ぎない。新システムなら、集荷の段階でパソコン画面に打ち込む体制をつれば、出荷確定情報の送信時刻を早められ、有利販売に結びつけることができる。経費も削減できる。扱う青果物の量によって異なるが、ルの半分から三分の一程度に減るという。JAも経費を抑えることが出来る。全農などは、花きでも同様のシステムを来年稼働させる方針だ。卸と仲卸間や、食肉、鮮魚などでもEDI化の事業が進んでいる。生鮮食品すべての分野で、産地から小売り段階までがEDIでつながる時代が遠からずやって来る。産地は、事務処理の効率化や有利販売の面から、情報化の動きに遅れないようにしなくてはならない。
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| 5月4日(日本農業新聞) |
直売所は商品提案の場
八ウスナスや赤ピーマン消費者ニーズ探る
神奈川県のJAはだので、直売出荷に若い後継者層が活躍している。昨年開設した大型ファーマーズマーケットを拠点に、目新しい野菜や花きで品ぞろえに色を添える。栽培も工夫してニーズに答えた。後継者らは商品提案の場に直売所を活用するほか、独自の経営意識で地域をPRする考えだ。
ファーマーズマーケツト「はだのじばさんず」は、昨年十一月にオープンした。売り場面積は四百五十平方メートルと県内最大級。出荷者に電話で在庫情報を提供する管理システムも特徴だ。来場者数は四月末現在で九万六千人、供給高も一億三千万円に上る。
原聡さん(25)はトマト、キュウリを柱に四千平方メートルの施設を経営する園芸農家。開店に合わせ、全体の三割を直売所の出荷にシフトした。主力のトマト(一袋三百円)は同店の売れ筋だ。「夏のイメージがあるトマトだが、春物の方がより甘さが乗る」と周年栽培のメリットを強調する。県内で唯一手掛けるハウスナスも店内でのPR効果で売れ行きがアップした。
また、珍しい完熟の赤ピーマン(一袋百円)も人気。糖度が九前後と抜群に高く「ピーマン嫌いの子どもが喜んで食べる」と人気に火が付いた。原さんは「市場の規格にとらわれない商品づくりで有利販売も可能になる」と今後を見据える。
花き農家の冨田茂靖さん(23)もニチニチソウを中心に直売出荷を徐々に増やしでいる。「市場受けする品種や色が小売りで売れないケースもある。消費者動向をとらえるうえで売れ行きは勉強になる」と話す。
同店での出荷登録者は現在六百六十四人。地元・秦野市に限らず、近隣市町村からも集客力があるだげに出荷者の注目は大きい。小澤忠志店長は「後継者や農家女性など、出荷者が多様化するにつれ、独自のアイデアが生まれてくる。今後の品揃えに期待したい」と話す。
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| 5月3日(日本農業新聞) |
生産履歴の徹底進む 埼玉県
共販組織の7割記帳体制を完了
県産ブランド拡大も
青果物の生産履歴記帳運動が埼玉県で着実に浸透してきた。JA全農さいたまによると、二日現在、県内共販向けの出荷組織のうち約七割が履歴記帳の体制を整えた。今後も全産地で完了できるよう促していく。並行して県産ブランド「菜色美人」の推進も強め、生産履歴を土台に品質面での区別化を進める構えだ。
同県での履歴記帳運動は昨年十二月の全体説明会を皮切りに、各JAが生産部会ことに推進を呼び掛けてきた。年間で使う農薬範囲リストと確約書、防除記録を各生産者で提出することが条件となる。記帳の対象は、キュウリやホウレンソウ、ネギなど県内で共販額の高い十品目。これら以外に各JAで主力に据える品目も加えた。
現在、管内すべての出荷組織で記帳の提出が完了したのはJA榛沢、JAふかやなど県内九JA。中でも、一組織で千二百人もの組合員を抱えるJAいるま野野菜一元共販連絡協議会は、記帳対象を五十四品目に増やし、パツコンを使った独自の管理システムを確立した。農薬チェックで合格した野菜だけが流通できるシビアな仕粗みだ。「農薬の安全使用に対し、産地の意識が格段に向上した。葉物、根菜など品目が多様なだけに難しいが、顔の見える産地づくりに磨きをかけたい」と同JA営農部。また、一JA管内で出荷組織が六十八もあるJAくまがやもほぼ記帳体制を完了した。
全農さいたま園芸販売課は「記帳運動は地域で着実に浸透した。無登録農薬問題の発生以降、栽培管理の徹底が全国的な流れになり、取引市場側にも安心感が生まれてきた」と話す。一方、少量多品目で直売出荷が中心となる北足立地区のJAで進ちょくがやや遅れている。このため、直売品目についてもJA単位で記帳を管理するよう呼び掛けていく。さらに、生産者データを明らかにし、化学肥料を慣行の半分に抑えることなどを条件にする「菜色美人」の推進に力を入れる。同プランドには現在県内十一・JAが十三品目で参画。昨年は同県での野菜販売額の約二割に当たる五十三億円の実績がある。全農さいたまは「生産履歴で守りを固め、一歩踏み込んだ品質特性で県産のメリットをアピールしたい」と強調する。
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| 5月3日(日本農業新聞) |
全域で交信かく乱剤導入
栽培管理統一し「履歴」を明確に
岩手県のJAいわて中央りんこ部会は今年から、管内全域でリンゴ主要害虫の交信かく乱剤「コンフユーザーR」を導入、減農薬栽培を進める。統一した防除暦と栽培管理で、生産履歴が明確な安全で安心できる高品賢リンゴの区別化販売を目指す。
同JAは県内JA最大のリンゴ産地。栽培面積七百ヘクタールを誇り、一九七〇年半ばから基礎園地を改植して、わい化栽培を導入。大玉、良食味を中心とした新品種、系統に更新し、わい化率は現在75%になる。
同JAでは広域合屏から四年目の昨年、本所を中心とした指導体制に転換。今年からトレーサビリティー(生産・流通履歴を遣跡する仕組み)の導入を念頭に、リンゴ生産の防除暦、栽培講習会、販売・精算を一本化した。部会員全員参加が墓本だ。
これまでの病害虫防除や除草剤散布は、共同防除組織や生産者ことの対応だった。統一防除では、全生産者がJAの指定する農薬を使い、栽培管理実績書に記帳する。「何の薬剤を使っているか明確に示してほしい」という量販店の要望に応え、区別化販売につなげる狙いだ。藤原和孝りんご部会長は「技術を統一して品質を高めたい。地形条件の違いなど心配もあるが、予察体制を強化してカバーする」と話す。
同部会では、交信かく乱剤による減農薬栽培を盛岡市都南地域で七年前から開始。同JA園芸特産課の横沢勤調査役は「散布作業をする人の労カと健康上の影饗を少なくしようと取り組んだ」という。設置面積は二〇〇一年に都南地域で十ヘクタール、二年に同域で二百八十ヘクタール、紫波町十ヘクタール、矢巾町十ヘクタールと徐々に拡大。今年からコンフユーザーRを管内全域で設置する。せん定講習会や技術指導会の講師は管内全域で一本化。統一防除に対してスーパから「店頭に日誌を掲げて売りたい」などの反応が出ているという。今秋から施肥体系統一し、来年にはJAとして国の減農薬減化学肥料栽培認定の取得を目指す。藤原部会長「定年帰農者など新現参入者が増えている。改植やせん定、薬剤散布などを支躍する組織を部会内につくっていきたい」と話している。
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| 5月2日(日本農業新聞) |
農地の効率利用を実践
【神奈川・伊勢原】春はフキのとうとフキ、夏から秋はイチジクを、同じ畑から出荷している農家がいる。作物を組み合わせることで、土壌の乾燥を防ぎ、夏李の地温上昇を抑える効果が期待できるとともに、農地を効率的に活用するアイデアが注目されている。
<地温、雑草の抑制も>
伊勢原市西富岡の中村和男さん(六七)は、一九九八年に酪良経営からイチジク栽培に転換。十アールのほ場に六十本のイチジク「枡井ドーフィン」を植え、「一文字整枝」で栽培。その下にフキを栽培し、良地の有効利用を図っている。生産したフキのとうやフキ、イチジクはJAいせはらの高部屋支所農産物直売所を通じて地域の消費者へ供給している。
早春に地面から顔を出すフキのとうの出荷は一月から二月。春になると、青々としたフキが育ち、四月から五月に収穫・出荷期を迎える。さらに、八月中旬から十一月までは、樹上で完熟させたイチジクを出荷するサイクル。
イチジクは、主枝を水平に誘引する「一文字整枝」。この方法だと作業がしやすく、フキの栽培もしやすい。四月から五月にかけてフキが生い茂り、土壌の乾燥を防ぐ。また、フキの葉が日光をさえぎり、夏李の地温上昇を抑え、雑草の抑制や雨のはね返りを防ぐ効果も期待できる。
中村さんは「イチジクの葉が生い茂る夏は、フキが半日陰になるので、お互いの作物にメリットがあるのでは」と、栽培筥理に励んでいる。JAいせはらの育野信男営農技術相談員は「フキは半日陰を好むので、植物の生理的にもイチジクとの粗み合わせは、良い共存状態では」と、アイデアを高く評価している。
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| 5月2日(日本農業新聞) |
トレーサビリティー
生産・流通現場からの報告中堅スーパー・東急ストアのあざみ野店(横浜市)の野菜売り場。「トレースナビ」と呼ばれる情報端末機の画面を押すと、こんな情報が飛び出してくる。
「この水菜は、横浜市中央卸売市場に午前十一時四士ハ分入荷。お店には午後零時五十四分に届きました」。市場を通った農産物でも、流通履歴を明らかにしようという全国初の試みだ。
産直に比べて市場流通は、その経路や輪送状況などの履歴情報の把握が難しい。しかし、同社が扱う農産物の実に七割が市場経由。同店の神木良和店長はそれだけに、「不特定多数の産地から良産物が集まる市場といえども、生産・流通履歴を明確にすることが重要になっている」と強調する。
今回の試みには、IC(集積回路)カードが活用されている。生産履歴情報(生産者名、品目、使用農薬名、出荷量など)が引き出せるカードに、集荷場、運送会社、市場がそれぞれの流通履歴情報を加え、小売店に届ける仕組み。
流れはこうだ。まず産地では、例えばトマトなら農家一人ひとりがトマトの生産履歴を登録したカードを持つ。JAの集荷場にトマトを出すたびに、出荷量、規格データをパソコンに入力、情報を加えていくのだ。
JAは各農家の情報を一括した後、配送トラックごとにカードを作製。運ぶ量、等階級、送り先を入力したカードを運送業者に渡す。荷を受けた市場では、卸がカードのデータを基にパソコンで分荷情報を作り仲卸に転送。仲卸はそのデータから小売店ことのカードを作り配送する仕組みだ。
生産・流通履歴情報が詰まったICカードを受けた小売店は、カードからバーコードシールを作製。ばら売り、あるいは袋詰め農産物一つひとつに張って、店頭に並べるのだ。
「トレースナビ」と名づけられた今回の仕組みは、二月から三月にかけて関東地方の三JAの共選物と個選物のトマト、エノキタケ、水菜で実験的に行われた。舞台となったのは、横浜市中央卸売市場本場と首都圏で約八十七店舗を展開する東急ストアの五店。生産者団体や卸売会社、スーパーでつくる「青果物EDI協議会」が取り組んだ。
このシステムのカギを握るのは、市場だ。これまで伝票で行っていた分荷作業を、すべてカードに置き換える。さらに入荷から出荷までの時間もチェックするので、市場の卸、仲卸にはこれまで以上にきめ細かな作業が求められる。
今回の実験に取り組んだ、卸売会社・横浜丸中青果の中幸雄ITロジスティクス事業グループ室長は「流通履歴情報の提供、さらに鮮度と安全といった品質向上の二ーズに、市場も対応していかなければならない。それが、卸の生き残りにもつながるとみている。
ただ、このシステムを軌道乗せるには、まだ課題がある。横浜本場に集まる農産物は約千品目。その数量は一日千二百ヘクタール以上に及ぶ。「トレ一スナビ」に取り組むJA・品目が増えると、特に取引先の多い大手仲卸は、その数だけカードを作らなければならず負担が大きい。
また、コストも大きな課題。同協議会が試算する初期導入費用は、生産者団体で六百万円、卸千三百四十万円、卸七百六十万円、小売店で三百七十二万円を見込む。デフレ、(持続的な物価の下落)の下で売上高が低迷する卸や仲卸の負担は、決して軽くない。
多くの農産物が複雑に行き交う市場で動き出したトレーサビリティー(生産・流通履歴を追跡する仕組み)。しかし、流通履歴を実現するには、市場での手間とコスト負担が大きく横たわる。
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| 5月2日(日本農業新聞) |
獅子唐天敵とネットで農薬半減防除効果安定、作業も省力化
高知県南国市の能勢さん高知県南国市でシシトウを施設で十一アール栽堵する能勢健士さん(48)は、化学農薬に天敵昆虫と防虫ネットを組み合わせ、農薬の敵布回数を半分近くに減らした。作業が軽くなり、防除効果も安定している。高値と言われる天敵昆虫だが、防除に要する資材費は天敵導入前とさほど変わらず、経営的にも満足している。
能勢さんの防除体系は定植前の八月に防虫ネットを張り、九月の定植時に「アファーム乳剤」などを四日間隔で二回散布、さらにアザミウマ用の天敵タイリクヒメハナカメムシとアブラムシを捕食するコレマンアブラバチを放飼する。
防虫ネットは一ミリメッシュ。ヨトウムシの侵入対策で、収穫が終わる六月下旬までハウス全体を覆う。軒高六メートルのハウス一棟と三メートルのハウスニ棟に、百メートルX九十センチのネツト三本を使う。費用は三万六千円。
定植時の農薬敵布はハウスに侵入しているアザミウマ類を減らすため。後で放飼する天敵の数とバランスを取る。この時、殺菌剤でうどんこ痛防除もする。
殺虫剤の効き目がなくなる十月中旬-十一月下匂に、タイリクヒメハナカメムシを投入する。アブラバチは、十月以降ハウス内でアブラムシを見つけたら投入する。天敵放飼は、それぞれこの一回だけ。天敵にかかる費.用は十二万円になる。
化学農薬を使っていた時は、農薬代は二十万円以上かかっていた。耕種的防除を導入してからの化学農薬の費用は、七万円。天敵や防虫ネットの費用を加えても二十二万六千円で、化学農薬だけのころとさほど変わらない。
現在の化学農薬の散布回数は天敵導入前の半分以下になった、特に九月は、一カ月に六回化学農薬を使っていたのが、二回に減った。能勢さんは「施設栽培は、暑い時期の農薬散布が本当につらいので、かなり助かった」と減農薬の成果を実感。「防除効果も安定している」と、天敵の活躍に満足げだ。
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| 4月23日(日本農業新聞) |
=中国野菜 進む海外資本誘致=
「総合力とノウハウ生かす」
残留農薬が問題になる前から品質管理をしていた。影響は全く無い。逆に基準が高いことを示すコマーシイルになった」。超大現代農業集団南京公司の王志剛総経理はこう言い切り、集荷したばかりの野菜コンテナからトレーサビリディー(生産・流通履歴を追跡する仕組み)を記した紙を取り出して見せた。
「有機農業で上場」
南京市中心部から北へ車で一時間ほど走ると、ビニールハウスが立ち並ぶ地域に入る。超大現代農業集団の南京地域の生産基地だ。
同社は中国各地に農場を持ち、二〇〇〇年末に香港証券取引所などに上場した有機農産物の生産・販宛会社。日本の投資家の間でも有名な会社だ。香港のIT(情報技術)産業関連が出資しているという。
栽培面積は八百ヘクタール。ハウスは一割で、残りはトンネルや網掛けを含む露地栽培。広大な土地は村を窓口に利用権を取得し、利用料を支払いながら使っている。利用料は数百元(一元=約十五円)のところから数千元のところまでさまざまだという。
地元の農家出身の労働者を社員として雇っており、現在社員数は三千人にもなる。一人の社員がハウスだと十三〜二十アールを、露地だとその倍ほどの面積を管理する。技術指導の担当者は一人で二ヘクタールをみる。
生産はすべて福建省にある本社がコントロールする。漢方の材料も含めて、ありとあらゆる野菜を栽塔しているが、品種によってどんな農薬や肥料を使うかなど、栽培マニュアルができている。
集荷場の隅に残留農薬の検査施設があり、女性の担当者が野菜の検査をしていた。近くには有機肥料の工場があるほか、種苗、農薬、包装資材の会社をグループ内に持つ。
同社の野菜は生鮮、冷凍の両方で日本へかなりの量が輸出されているが、南京公司の野菜は、市内の国営企業や学校、病院などの給食用に直接卸すほか、直営のスーパーや自由市場の野菜専門店で販売されることが多い。内陸にあるため、輸出向けは多くない。王総経理は「中国各地に持つ生産拠点で、それぞれの土地に合うものを生産、流通させる。そうすることでコストを下げられる」と、全国展開する農業企業集団の有利さを強調した。
「施設園芸伸びる」
「野菜は江蘇省で一番の高所得作物」といわれる。同省の野菜栽培面積は百二十五万ヘクタールで、そのうち二十二万ヘクタールが施設栽培になっている。生産量は果樹と茶を含めて四千万トンにもなる。高所得を背景に水稲から野菜など、経済作物への転換が急速に進む。
江蘇省農業庁の周立達主任は二十一世紀は施設園芸が伸びる」との見方を示した。同時に、「農業は一戸の農家でやる時代は終わった。加工工場を作れば野菜基地や生産集団は自然に増えていく」と話し、農地の利用権集積を進め、海外企業を積極的に呼び込んでいく考えを示した。こうした生産集団(企業)は同省内で二千ほどあるという。
生産・流通のノウハウを持つ海外資本を呼び水に、中国の野菜生産はさらなる拡大を続けている。
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| 4月23日(日本農業新聞) |
=「青果物集荷 庭先に出向きます」=
【宮崎こばやし】JAこばやしは、今月から青栗物を対象に管内全域で「庭先集荷」を始めた。併せて、共販出荷していない生産者にもJAが価格情報などを積極的に提供しながら戸別集荷し、共販拡大にも結び付けていく方針だ。集荷対象は花き、マンゴーと契約栽培作目以外の全青果物。二〇〇三年度の庭先集荷は三千トンが目標だ。
高齢化や労カ不足でJAに持ち込みできない生産者や、持ち込み時間を節約して品質・生産性向上、規模拡大したいという組合員の要望に応えた。
JAの部会員で集荷を希望する生産者に対する「サービス的集荷」と、共販事業拡大のため、共販出荷していない人から積極的に集荷する「営業的集荷」の二つの集荷に分けた。営業的集荷には、営農経済渉外担当者四人を置き、青果物販売に関する相談業務や庭先集荷を呼び掛ける。
集荷を希望する組合員は、JAの青果物集送センターに集荷場所と時間を電話連絡し、JAは品質の低下がないように迅速に配送する。また営農経済渉外の訪問活動で出荷を確約した物を、センター職員が集荷する仕組みだ。
「庭先集荷」を行うため、同JA管内に四つあった集荷所を一カ所に機能集約し、これまでの集荷所は中継所として活用する体制整備を行い、マーケッター(販売営業担当者)の商談を支援する営農指導体制を強化し、消費者の声を生産現場に反映させる態勢づくりを目指す。
同JAの楠元貫組合長は「生産者の手取り増を最優先を掲げ、庭先集荷に踏み切った。ぜひ成果を出し、生産者の要望に応えたい」と意気込んでいる。
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| 4月17日(日本農業新聞) |
=「中国の富裕層に狙い」=
「特産売り込め」
静岡県は今年度から、中国を中心に特産品を売り込む「アジア市場テストマーケティング事業」を始めた。すでに中国各地で市場調査を済ませ、富裕層からワサビや温室メロンなどで好感触を得た。経済成長が著しい中国での潜在需要に期待している。7月に開かれる香港国際食品・飲料展にも初出展する。
同県は二〇〇八年の静岡空港開港に合わせ、アジア向けに定期便を発着させ、農産物の流通拠点を築く考えだ。中国をはじめアジア各国の富裕層を対象に、静岡の特産品を売り込む可能性を探っている。
二、三月に県とJA静岡中央会は、香港や上海、北京で実態調査を行った。卸売市場や百貨店、飲食店に商材を持ち込み反応をみた。特にワサビは、中国で刺し身を食べることが多くなっていることから、すりおろしを実演すると、興味を示したという。
中国では海南島から、五百グラム当たり百円以下の安いウリ類が大量に出回っており、「温室メロンといった高級品を売り込むには、一般の物とは違った分野を確立する必要がある」と県の損当者はみている。
ただ、運賃や関税などの流通経費がかさみ、ワサビは国内価格の五倍にもなる。売り方や検疫問題、流通経路の確立など課題もある。県はすでにアジア市場研究会を発足させてマーケティングなどの勉強会を重ねており、取引する産地や業者を後押しする計画だ。
県農業水産部マーケティング室の福井昌弘室長は「一部の富裕層が相手になるが、豊かな暮らしへのあこがれも強く、需要のすそ野が広がる可能性がある」と期待する。
「伸長著しい巨大市場」
<解説>
中国は労働集約産業を中心に「世界の工場」として躍進を続けているが、その一方で「巨大な消費市場」としても注目を集めている。日本の小売流通資本が大都市に、相次いで進出しているのも将来にわたって成長が見込める可能性があると踏んでいるからだ。
中国の国内総生産GDP)は、二〇〇二年で十兆千四百億元(一元約十四円)で、五年前に比べ四割近い伸び。発展著しい経済特区や沿岸部などの都市住民の一人当たり年収は、同七千七百元と五割近く増えている。
店舗展開する大手スーパーの狙いは、中国の消費市場の拡大の源泉となっている富裕層とその予備軍。海外商品を上層階級の象徴として選択する人々をターゲットにしながら、需要のすそ野をどこまで拡大できるかが販亮のカギをにぎる。
ただ、国家財政や金融のゆがみを指摘する意見も少なくなく、富裕層の「繁栄」を支えにした「消費市場」懸念を抱く声も一部で出ている。
(編集委員・小暮宣文)
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| 4月12日(日本農業新聞) |
=アサヒビール 「高糖度トマト発売」=
「培地にゼールかす使用」
アサヒビールは十一日、ビール製造の副産物である大麦麦殻の新素材「モルトセラミックス」(ビールかす)を養液栽培の培地に使った、高糖度トマトの販売を始めた。糖度八以上を保証した高糖度トマトで、子会社のアサヒエコロジーを通じて販売する。生産は、徳島県小松島市の有限会社・樫山農園が受け持ち、今月下旬の本格出荷以降、年間で五十トンの販売を計画している。
モルトセラミックスは、ピール製造時に副産物として発生する麦芽の殻皮(モルトフィード)を圧縮、炭化したもの。純度の高い炭素を含み、備長炭並みの硬度がある。大麦由来の豊富なミネラル成分を含み、水のPHを強アルカリ性に変えない特性を持つ。
樫山農園が養液栽培の培地に使い、トマトの栽培試験をしたところ、糖度が高まるなどの特徴が表れたという。モルトセラミックスは、アサヒエコロジーが販売、養液栽培向けの培地用として事業拡大を目指す。
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| 4月7日(日本農業新聞) |
=「特栽農産物の使用資材「特定農薬」可能に」=
農水省は十六日開いた農業資材審議会と中央環境審議会の合同会議で、農薬や化学肥料の使用を減らした特別栽培農産物に、特定農薬の使用を認める方針を明らかにした。使った場合は、特定農薬を使ったことを表示するよう義務付ける。月内にも関係機関に通知する方針。
同省によると、特定農薬は天敵と同じ扱いとする方針。ただし特別栽培農産物に使った場合は表示義務を負わせる。
「有機」表示ができる有機農産物にも、特定農薬を使える資材として位置付けていく。
特定農薬には重曽と食酢、地域で採取された天敵の三種が指定されているが、木酢液などは判断保留になっている。今後こうした特定良薬の候補について、防除効果や薬害、毒性を評価する方法を検討していく。
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| 4月1日(日本農業新聞) |
=「臭化メチル全廃秒読み」=
「進まぬ代替技術普及」
臭化メチルの生産全廃まで、残り二年を切った。代替技術、農薬に切り替える農家が増える一方、簡単な処理で効果の高い臭化メチルを手離せないでいる農家も多い。全廃となる二〇〇五年以降が見通せない農家は、例外使用(不可欠用途)の申請にわずかな期待を寄せる。ショウガなど、臭化メチルなしでは経営を続けられなくなるとみられる作物もあり、あきらめが現場に漂う。
先進国は〇五年までに、土壌処理用の臭化メチルの国内生産をゼロにすることを義務付けられている〇一九九一年を基準年に〇二年は50%、今年と来年は70%の生産削減に入る。国内の使用量は減っているものの、一部作物では代替技術の導入が足踏みしている。例えばショウガ。国内最大産地の高知県では、中国産の影響を受け、基準年の九一年で約千ィあった栽培面積が、五百ィほどまで激減した。
「県全体の使用量は減っているが、農家が減った分、一人当たりの使用量は減っていない」(同県農業技術課)。ショウガは露地栽培であるため、太陽熱土壌消毒などの代替技術の普及が難しく、現場では「臭化メチルに頼っている」(同県の農家)。
同県では、蒸気消毒などの代替技術や、「ダゾメツト」などの代替農薬の普及率は約三割。〇二年の削減率が50%なので、代替技術の普及目標も50%になるが、そこまで達していない。
メロンでも代替技術の導入は遅れている。九州のある県の担当者は「代替技術では収益が落ちるから農家が導入しづらい」とみる。臭化メチルは低温での効果が高く、処理期間が短い利点がある。代替技術では処理期間が長く、作物の作付け期間が短くなるため、収益が落ちるのだ。
対策が困難な土壌伝染性のウイルスに被害を受けるピーマン、キュウリなどでも「代替が遅れている」と東海地方の県担当者。
〇五年以降臭化メチルを、全く使用できなくなるわけではない。
JA、県関係者は「不可欠用途」として、臭化メチルなしでは栽培できないものに、例外的に使用を認めてもらうための申請作業を進めている。国際機関の承認が得られれば、例外的に使用が認めら
れる。
不可欠用途として認めてもらうには、JAから県を通じて国に必要資料を提出し、最後は国際機関に申請するが、国際機関に出すかどうかは国が決める。
今年分として提出があった不可欠用途は、十五県で総量二百八十四トン。検疫用を除いた〇一年の国内生産量と比較すると、約十分の一の量だ。
来年提出する分は今年の秋までに農水省が県から申請を集める。
申請には科学的なデータが必要で「厳しい条件がある」(同省)。今年日本は、農薬登録のない五作物の五病害に限って申請したが、この五作物以外の申請を国際機関に提出する方向にはない。また、この五作物について臭化メチルの使用が国際機関で認められるかどうかはまだ分からない。結果が出るのは今夏になりそう。
臭化メチルの有効期限は二年間。〇五年で製造中止になっても最長で〇六年までは使える。しかしその先は……。
「見通しなんかない」。高知県のショウガ農家は嘆いた。
中国産に対抗するため、大規模化して低コストを目指したいが、臭化メチルが使えないとなると、話が違ってくる。雑草処理や根茎腐敗病などへの対策を考えると、二戸で栽培できるのは二十〜三十アールが精いっぱいだからだ。「不可欠用途で残してもらいたいというのが本心だ」と話している。
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| 3月27日(日本農業新聞) |
=「西友 ウォルマート色鮮明に」=
「臨時株主総会5人の役員受け入れ」
大手スーパーの西友は二十六日、臨時株主総会を開き、筆頭株主のウォルマート・ストァーズ(米国)の五人が新しく役員に就任した、と発表した。昨年三月に資本業務提携して以来両社は関係強化を進めてきたが、役員就任で今後ウォルマートの企業姿勢が一段と濃くなってくる。
取締役に就任したのは、ウォルマートのジャパン・スタディ・チームを統率するジェフ・マカリスター氏ら五人。臨時株主総会後の記者会見で、木内政雄社長は「生産性の向上やコスト低減など、西友は非常なスピードで変わっている。ウォルマート商品も定番商品では、それ(提携)以前に比べて五培の売れ行きだ。九月以降の下期には収益や売り上げで提携効果がさらに出てくるだろう」と強調した。
また、注目されるリテイルリンク(納入業者とコンピューターで情報交換できるシステム)も「今年度末までには約四百店の導入を目指している」と話した。
マカリスター氏は「ウォルマートの企業理念は単純明快。商品を安価で調達し、低価格で販売すること。そのためには調達はもちろん、店舗の棚に並ぶまでのコストも削減していく」と強い意欲を示した。
<解説>
西友がウォルマート・ストアーズから五人の役員を迎えたことは、筆頭株主がようやく表舞台に登場し、ウォルマートの企業理念であるエブリデーロープライス(EDLPい毎日が低価格)と低コスト化を実現させる体制
が整ったことを意味している。
ウォルマートは、米国はもとより世界に四千四百を超す店舗を持ち、年間売上高が約二十七兆円に達する世界最大の小売業。EDLPを実現している最大の要素は、安価な商品を調達し、低コストで店舗の棚まで並べるシステムを確立したからだ。
特に、商品の調達については世界的な規模で進められ、農産物についても例外ではなくなっている。デフレ(持続的な物価の下落)下で、総合スーパーの食品売上高依存度が上がっている時だけに、世界的な規模での調達が一層強化されるとみられる。
役員に就任したジェフ・マカリスター氏は、「グローバル調達の中にはもちろん中国も入っている」と指摘、中国についてはこれまで以上の積極的な姿勢で産地開発に乗り出す可能性もある。
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| 3月30日(日本農業新聞) |
=「韓国でも伸びる産直」=
「5年で6倍に」
韓国で農産物の産直が順調に伸びている。昨年、産直で販売された農産物の売り上げは九兆六千億ウオン(一ウオン約○・一円)。韓国政府の統計によると、産直は農産物流通全体の30%にあたる。一九九七年にはわずか5%に過ぎず、五年で六倍に増えた計算だ。
(青山浩子・韓国農民新聞特約通信員)
ソウル市にある農産物直売所「ハナロクラブ良皇材(ヤンジェ)店」。日本のAコープに似た「農協流通」の運営する直売所で、九八年のオープン以来、順調に売り上げを伸ばしている。昨年の売り上げは七千六百億ウオンにも達した。
直売所といっても敷地二万坪(約六万六千平方。)、三階建ての建物は一万八千坪の広さという巨大な直売所だ。全国の生産組合や法人など約八百の産地と契約し、毎日直送される農畜水産物を年中無休、二十四時間営業で販売している。水産物以外はすべて国産。農協流通は、二〇〇二年十一月現在、全国で十四店舗の直売所を運営中だ。
ハナロクラブだけではない。国内外の流通業者が運営する大型スーパーやディスカウントストアも産直農産物を集客の目玉にしている。消費者にも「新鮮だし(産地がわかるので)安心」と評判だ。
産直が伸びた理由はここ数年、ハナロクラブや大型スーパーの出店ラツシュで、農産物の取り扱いが増えたためだ。また、産地側も流通経費カット、産地のブランドイメージアップのために産直に力を入れるようになった。政府も「輸入農産物に勝つためにはコスト削減を図るべきだ」と、産直を拡充するための物流センターの建設などに支援をしてきたことも背景にある。
現在、産直の農産物を多く取り扱っている業態は「ハナロクラブ」をはじめとする農協の常設店舗で、全体の36%を占める。次いで、軍用の食料、学校給食などを扱う加工業者(26%)、その他の大型スーパー(21%)などだ。
農林部によると、産直が増えたことによって、産直生産者の手取りは11%程度増え、消費者は逆に11%安く農産物が購入できるようになった。
約一兆八千億ウオンの流通経費が削減されたという。
農林部はさらに産直を拡大する方針で「屋外にファーマースマー-ケットなどを設置し、週末あるいは常設で『顔が見える販売』を推進していきたい」と話している。
一方、農協中央会も産直事業に力をいれていく計画だ。鄭大根(チョンニアグン)会長は今年三月、「農協の扱う園芸作物の30%は産直で販売していく」と発表した。
その一方で、卸売市場の取扱量は減少している。特に果物の取り扱いは五割を割った。市場関係者は生き残りをかけ「予約相対取引を増やし、質のいい農産物を多く扱っていきたいしと話している。
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| 3月25日(朝日新聞) |
新技術で保つ「新鮮」
透明なポリ袋の中の千切りキャベツを口に合んでみた。かむと、シャキシャキして甘みがある。見た目も鮮やかだ。工場の担当者は「カットしてから1カ月たってます」と語した。
中国山東省内陸部の青州市。青果物商社「千代田物産」(東京)が出資する日中合弁のカット野菜工場の周囲は、野菜を栽培する青いビニールハウスが見渡す限りに広がる。
加工日から2週間たった生の刻みネギやレタスの葉を驚きの表情で見ていた外食チェーン役員の佐藤雅行さん(33)はすぐに、取引を決めた。「生でこれだけ日持ちすれば、在庫もできて無駄が出ない」
グループ内の焼き肉店は全国に200店。肉にのせる刻みネギは1日400「、月に12トン必要だ。「原価が安い中国で葉をもいで殺菌、洗浄してあれば、店の人件費も削減できて価格も安い」と佐藤さん。
家庭や外食産業でのカット野菜の需要は伸び続けている。青果物カット事業協議会(東京)によると、99年の市場規模は推定500億円以上で、90年の1・5倍に伸びている。スーパーの陳列棚には、カット野菜専用のスペースも増えた。
生鮮カット野菜の賞味期限は通常3-4日。同杜はこれを2週間以上に延ばし、原料や人件費の安い中国での生産を軌道に乗せた。昨年11月から居酒屋など外食産業向けに輸入を本格化している。
長持ちの秘訣を、芳野博杜長は「野菜を仮死状態のまま運ぶこと」と言う。殺菌は、水道水にも便われる次亜塩素酸ナトリウムの溶液に数分漬けて、1台数億円する特殊な釜で余分な水分を飛ばし、遠赤外線を当てる。カット後に野菜から出るガスを抑え、腐敗を遅らせるパッケージも開発。保管温度も生産から販売先まで2度前後に保つ。「工場は産地の真ん中。収穫から30分以内で加工できるのも鮮度を保つポイントだ。日本ではまねができない」
材料原価は日本の10分の1以下、作業員の給料も月に7千円程度。人の手でネギを切り、レタスの葉も1枚ずつ虫をはけで払う。物流費用を入れても、価格は国内産の7割ほど。注文が殺到し、15培の広さの新工場を年内にも建設する。
遼寧省の大連市から車で30分。金州市の大連平成食品有限公司の加工場で、20歳前後の女性が約50人、無言で里芋の皮をむき、六角に切っていた。黒や黄色の斑点があるとかごに捨てる。工場の管理責任者、張玉清さんは「日本が求める厳しい品質と衛生観念を理解させるには、2ヵ月の教育期間が必要です」。
同公司はカツトした里芋、ジャガイモ、レンコンなどを生のまま、日本に輸出する。食品加工メーカー「マルハ物産」(徳島県)が出資し、休眠工場を買い取って昨年1月から生産を始めた。根菜類は、切って数分で切り口が黒くなる。これを防ぐのが「電気殺菌」という技術だ。皮をむいた里芋の表面に電気を通して雑菌の増殖と酸化を防ぐ。指導する橋本清志さんは「まだ畑の中にいるようにだましたまま、日本に運ぶんです」と言う。薬剤を一切使わないため「無添加」だ。畑から運ばれた里芋のうち、製品になるのは3割。小さすぎたり、中の繊維が赤かったりしたものは、すべて廃棄される。
「材料をぜいたくに使い、品質にとことんこだわわる」と橋本さん。商品は、日本のスーパーやコンビニに並ぶと台所でごみが出ない「生ごみみゼロ」がキャッチフレーズになる。
働く女性は、黒竜江省や吉林省などから出稼ぎに来た人たちという。午前7時半から午後5時まで立ちっぱなしの作業。給料は月750元(約1万円)。
王晶さん(24)は「品質の見極めが難しいけど、つらくはない。給料もいいと思う」。この春節で帰省した60人のうち20人が戻って来なかった。「きつい仕事です。でも手作業でこれだけ丁寧な加工は日本ではもう無理」と橋本さん。
昨年、中国産冷凍野菜残留農薬が問題になったが、「中国産への期待は大きい。この流れは変わりませんよ」。
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| 2003年3月25日(日本農業新聞) |
総菜事業に参入
野菜の宅配事業者や青果店などが、総菜事業に進出している。本業の食材調達のノウハウを生かして、無農薬野菜や伝統野菜など素材にこだわった個性派総菜を開発し、消費者に売り込む。デフレ(持続的な物価の下落)下でも好調な中食市場は、個性的な商品の開発が増え、さらに競争が激化しそうだ。
無農薬など個性化進む
無農薬野菜の宅配販売業者「らでいっしゅぼ-や」(東京都港区)は今月6日、京王百貨店聖蹟桜ヶ丘店(東京都多摩市)に総菜小売店の1号店「らでいっしゅでり」を開店した。
同社が扱う有機・無農薬野菜などを食材に使い、店内で調理する。その日に使う食材・農産物の産地や生産者、農薬の使用回数も店頭に掲げ、消費者への情報提供に力を入れているのも特徴だ。同社は「有機野菜の良さやおいしさを知ってほしい。また、宅配取引では敬遠される形が不ぞろいの野菜も有効活用できる」と、総菜事業への参入理由を話す。
全国の百貨店を中心に20店舗の青果店を展開する「ころくや」(東京都八王子市)は、昨年から総菜店「フレッシュデリ ころく」を西武盲貨店池袋店に出店している。青果唐ならではの総菜店にしようと、食材の旬や鮮度にこだわる。伝統野菜もふんだんに使い、従来の総菜店との違いを前面に出す。
外食産業総合調査研究センターによると、総菜などの中食の市場規模は2001年で約6兆円。高齢化や食の簡便化で、生鮮食材や外食より市場拡大の下地はある。
ただ、総務省の家計調査(サラリーマン世帯では、調理食品の支出は昨年7月から前年同月でマイナスになっており、同センターは「食材のこだわりや和食総菜など、各社とも個性化や差異化にしのぎを削っている」と話している。
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| 2003年3月20日(日本農業新聞) |
野菜、果物の輸出増加
「安全性」アジアで評価
農水産物を日本から外国へ輸出する動きが広がってきた。特に、アジアの経済発展などを受け香港、台湾、さらには中国本土も、日本食品の輸出市場になるとの見方が強まっている。ジェトロ(日本貿易振興会)千葉貿易情報センターが19日、千葉市内で開いた霞水産物・食品輸出セミナーで明らかになった。
2002年の品目別輸出実績は、野菜・同調整品が56億300万円で前年の1.2倍、果実(比・鮮・乾燥)が46億1300万円で同2.1倍、清酒が35億2200万円で同1.1倍、茶が19億6千万円で同1.2倍と、増えた。
輸出が伸びているのは、アジア市場が拡大してるためだ。香港は人口がわずか700万人ながら、日本からの食品輸出額は米国に次ぐ大きさ。
近年は、日本企業のスーパーはもちろん、地元スーパーにも日本食品コーナーができ、キャベツ、レタス、ニンジンなど日本の野菜が品質、安全性で人気を集める。ジェトロ農水産部の川上俊次アドバイザーは、「映画やファッションと一緒に、食にも日本文化が浸透してきている。今後は中国本土にも市場が広がる足がかりになる」とみる。
日本の食品輸出三位の台湾へは、青森からのリンゴ輸出が増えている。高所得者には高級果物の人気が高い上、世界貿易機関(WTO)加盟により2004年度までに、リンゴや桃の関税が50%から20%に下がるため、さらに輸出のチャンスが広がると予想される。川上アドバイザーは、北海道産のナガイモが、ジュースやシャーベットの機能性食品として人気が高く、販売金額は20億円ともいわれていることなどを紹介した。
また、中国については近年、生産拠点としてではなく、市場として各国が熱い視線を注いでいる。日本からの輸出も酒、しょうゆ、みそなどで始まっており、生鮮食品にも販路の広がりが期待されている。
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| 3月10日(日本農業新聞) |
=「HPに履歴公開」=
「産地の取り組み統合」
北海道のホクレンは2003年産米から、ホームページ(HP)で栽培基準などを確認できる「北海道米あんしんネット」を始める。各産地が策定した統一栽培基準、生産者の栽培履歴記帳、ホクレンの安全性検査など、個別に行ってきた安全な米作りへの取り組みを統合し、HPで公開。消費者へ安全と安心をアピールする。2003年産米では、大型米穀集出荷施設を中心に行う。同ネットでは、各産地が策定した統一栽培基準に沿って生産された米に、「認識マーク」を張って販売する。HPで、各産地の統一栽培基準や栽培暦、生産者一覧など閲覧することができる。
同ネットの推進主体は各JAや広域運、広域協議会など。これらの推進主体が統一栽培基準を策定し、ホクレンヘ申請する。生産者が統一栽培基準を守って栽培しているか、栽培履歴を記帳しているかなどを確認、ホクレンヘ報告する。ホクレン側も統一栽培基準の実施などを確認。問題がなければ、推進主体は認識マークをつけることができる。
生産者は推進主体と栽培協定を結ぶ。統一栽培基準の順守や栽培履歴の記帳と提出が義務付けられるほか、「異物混入ゼロ」運動の継続が求められる。
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2月25日(日本農業新聞)
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=「営農情報携帯から」=
農水省は二十四日までに、インターネット利用に関する農家の意向調査結果をまとめた。農家の三割が「携帯電話から営農情報を入手したい」と回答した。特に市況や気象情報の収集に役立てたい考えが強く、ほ場にいて素早く情報が入る携帯電話に期待する農家が多いことが分かった。
全国の農家二万戸に対し、昨年十一月から十二月にかけて調査した。有効回答率は二割。
回答者のうち、すでに携帯電話を使って気象情報などを入手している農家は5・2%だった。中でも畜産農家の利用率が10・6%と高かった。都市と山間地域で大きな差はなかった。
一方、パソコンのインターネットは、農家の四割が「農業経営に利用したい」と回答。目的は、「栽培技術など、生産管理情報を入手したい」という農家が六割を占めた。すでにパソコンを農業経営に役立てている農家は全体の二割弱だった。施設野菜の農家は三割強が使い、今後利用を希望する農家も多かった。
併せて、インターネットを除くパソコン利用もアンケートした。半数の農家が「農業経営にパソコンを利用したい」と答え、中でも「簿記・青色申告など経営管理に利用したい」との回答が六割を占めた。すでに一割の農家がパソコンを経営に用いている。
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2月23日(日本農業新聞)
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=「ミニトマト、ネット産直」=
【愛知】JAあいち経済連と全国でも有数のミニトマト産地・JA豊橋は、インターネット上で消費者がミニトマトを"指名買い"できる産直販売を始めた。これにあわせ、今月から全部会員をネット上で公開している。特別栽培「いきいき愛知」にも認証された減農薬ミニトマト。履歴がたどれるのに加え、気に入った生産者を指名買いできる仕組みだ。
ミニトマト一パックごとにホームページ(HP)のアドレスとアクセス番号を添付、ネット上で購入したミニトマトの生産者の顔写真、使った肥料・農薬などの情報が閲覧できる。生産者が個人でパック詰めしているため、共販商品でも個人ことの履歴追跡と指名買いが可能だ。首都圏や豊橋市内のスーパー百店舗で、期間限定で販売する。
これまで、一部の部会員しかネット上に登場しなかったが今回、染川利男部会長はじめ、部会員百二十八人全員を公開している。
同経済運は「系統共販の青果物で、生産者を指名買いできるのは全国的にも珍しい。全員の協力を得るには苦労したが、消費二ーズをいち早く吸い上げ、産地が生き残るには画期的な手法だ」と話している。
ネット産直は三「入り二千三百円(送料・消費税は別)で販売。
ホームページアドレスはhttp://www.ja-aichi.or.jp/engei/
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2月22日(日本農業新聞)
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=「生産履歴 音声で入力」=
「高齢者も楽々システム作り」
電気機器メーカーのオムロンと日本農業IT化協会が、携帯電話を使って、農作業の内容を声で吹き込むだけのトレーサビリティー(生産履歴を追跡する仕組み)システムの開発を始めた。同協会は「キーポードに不憤れな高齢者でも簡単に作業できる」とし、六月ころから実用化する計画だ。
同協会はパソコンや携帯電話で農作業の内容を文字入力するトレーサビリティーシステム「AFAMA(アファマ)」をすでに開発している。今回、オムロンが開発した技術を使い、音声でも入力できる機能を追加する。
音声入力の仕組みは、農業者団体などが音声を受け付けるパソコン(ローカルサーバー)を設置し、そこに農家が携帯電話をかける。サーバーから「農薬名は?」「散布時間は?」といった質問が流れ、これに農家が答えていく。入力を終えると、携帯電話の画面に入力結果が出て、農家が最終確認する。
この情報を、ローカルサーバーから同協会のパソコンに送って作業は完了。消費者らはインターネットを使って同協会から生産記録を閲覧できる。
同協会は「これまで文字で入力すると三、四分かかっているが、音声入力なら二分で済む」と、入力時間を短縮できる点も利点に挙げる。
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2月28日(日本農業新聞)
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=「総菜の原料産地表示好評」=
「スーパー大手各店消費者に安心感」
スーパーの総菜売り場で、原料の産地表示が進んでいる。POP(掲示板)や商品パックに「○○産の菜の花使用」などと明記、消費者に原料に対する安心感を与えている。国産食材の使用をアピールする表示もあり、商品購入時の情報の一つとして今後ますます広がりそうだ。
首都圏を中心に百二十六店舗を展開するスーパー・いなげやの総菜店・クツクサンは、昨年十月からてんぷらやサラダなど総菜全体の半分に当たる六十アイテム(商品)で産地表示を始めた。
一十種類以上の素材を使う総菜もあるため、現在は「主な原料」の産地表示にとどめる。ただ、年間を通じて国産を使う場合は、十二〜二月は千葉産、三〜五月は群馬産-などとリレー産地を記載する。
消費者の反応は上々で、今後は弁当など産地表示のアイテム数を増やす計画。同社は「総菜に原産地表示の義務はないが、素材の原産地を明らかにし、お客様に安心感を提供したい」と意欲的だ。
また、全国で百七十八店舗を展開するイトーヨーカ堂も、昨年四月から産地表示を始めた。総菜アイテム(一店舗当たり百五十)のうちのまだ一割ほどだが、「正確な情報を購入時に知らせるため、国産、海外産を問わず表示を増やしていく」(広報室)と強調する。
一方、ダイエー(店舗数二百六十五)は、青果物のプライベートブランド(PB=独自開発商品)「すこやか育ち」を総菜の原料に使う。PBの使用割合が七割以上の場合は「すこやか育ち総菜」のシールを貼り、一九九九年から売り出している。
総菜の割合は現在、全体の四割で、「ヘビーユー
ザー(常運客)の獲得につながっている」と、同社も手応えを感じている。
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2月20日(日本農業新聞)
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=「安心で攻める」=
「JA愛知みなみ自治体と連携」
愛知県のJA愛知みなみ管内では、農薬などを憤行栽培に比べ半減する特別栽培が着実に広がってきた。同JAは地元自治体と連携し、大規模な広域防除や資材費の助成など、環境保全型農業を後押し。野菜など六品目、計九十ィで、JAあいち経済運が始めた特別栽培農産物「いきいき愛知」認証を取得。全国有数の野菜産地が、安全で安心できる農産物作りを加速させている。
四年前、県が進める土づくり講習に参加した若手農家が、特別栽培を手掛けた。収量の減退や技術面で不安を抱えながらも、ベテラン農家の参入もあり浸透。同時期に、「いきいき愛知」認証制度に参入した。
同制度の認証面積は県全体で約三百九十むだが、このうち4分の一を同JAが占める。ブロッコリーの三十九ィ、ミニトマトの二十四ィの認証は、県内でも有数の規模だ。同JA管内に加え豊橋市とも連携し、広域防除に取り組む。害虫を捕らえるフェロモントラップを、全国でも最大規模の約四千三百カ所に設置。自治体や同JAが資材費の一部を助成している。
同JAでは、特別栽培を通じた消費者との交流も強化。「人と環境に優しい環境保全型産地」を墓本方針に掲げ、特別栽培の普及で特色とこだわりある農産物作りを一層進める考えだ。
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2月16日(日本農業新聞)
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=「全農産物を減農薬に」=
「3年計画でエコ産地づくり」
北海道のJAふらのは二〇〇三年度から新たに、管内で生産されるすべての農産物を対象に品目別栽培基準を独自に設定し、全生産農家がトレーサビリティー(生産履歴を追跡する仕組み)を台帳に記録して常開示に努めるなど、特色あるクリーン農業を目指す
「ECOフード産地づくり」に取り組む。現在、地区別営農懇談会で趣旨の周知徹底をしている。
この取り組みは、産地自らの責任で安全で安心できる農産物をアピールすることによって、消費者や市場関係者からの信頼を獲得するのが狙い。
同JAが三カ年計画で取り組む「ECOフード産地づくり」の柱は、クリーン農業の推進、品目別栽培基準の策定、生産情報の開示、生産ほ場の表示、仕分け流通の実施、残留農薬の分析、消費者との情報交流、ECOフード推進委員会(JA、普及センター、生産部会役員で構成)の設置などだ。
中心となる「栽培基準」は、今月末までに作成する。このうち、減農薬栽培はおおむね五割減。ECOフード栽培では二割減として、減肥と土づくりに努める。同JAは〇五年度までの三年間で、一般栽培のすべてを減農薬栽培、ECOフード栽培に移行することを目標に定めた。JAと組台員農家との間で、農薬の適正使用基準を厳守、生産管理台帳の記帳などを盛り込んだ誓約書も締結する。
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